腐心
「彼はそれに腐心していた」などのように使う「腐心」という言葉。
「腐心」は、音読みで「ふしん」と読みます。
「腐心」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「腐心」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
腐心の意味
「腐心」には次の意味があります。
・ある事を成し遂げようと心をくだくこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、あることを完遂するのに大変な苦労をすることです。
この場合の「腐」という字は、「くさる」という意味ではなく「心を痛める」という意味で使われており、簡単には事が運んでいない、思うように進まないため、心を痛めながら苦労して取り組んでいる様子を表しています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・人生五十年と割切っている信長は、おのれの後継者選びに腐心していた。
(出典:池宮彰一郎『本能寺(下)』)
・私は私なりに、ひそかにその活用法に腐心しているところであった。
(出典:吉田満,原勝洋『ドキュメント戦艦大和』)
・多くの本が引用と説明に腐心するあまり失敗している。
(出典:里中哲彦『鬼平犯科帳の真髄』)
・そうした速記者の腐心など採り上げて買ってくれるよしもなかった。
(出典:正岡容『我が円朝研究』)
・腐心しすぎて、約束したことを完全に忘れてしまっている。
(出典:J・M・ディラード/斉藤伯好訳『宇宙大作戦 スター・トレック5/新たなる未知へ』)
類語
・苦心(くしん)
意味:物事を成し遂げようといろいろ試みたり考えたりして苦労すること。(出典:デジタル大辞泉)
・苦慮(くりょ)
意味:苦心して、いろいろと考えること。思い悩むこと。(出典:デジタル大辞泉)
・鏤骨(るこつ)
意味:骨を刻むような苦労・苦心をすること。(出典:デジタル大辞泉)
・苦労(くろう)
意味:精神的、肉体的に力を尽くし、苦しい思いをすること。(出典:デジタル大辞泉)
・辛労(しんろう)
意味:つらい苦労をすること。大変な骨折りをすること。(出典:デジタル大辞泉)