脅かす
「人々を脅かす」などのように使う「脅かす」という言葉。
「脅かす」は、訓読みで「おびやかす・おどかす」と読みます。
「脅かす」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「脅かす(おびやかす)」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
脅かす(おびやかす)の意味
「脅かす」には次の二つの意味があります。
1おどかして恐れさせる。こわがらせて従わせる。
2危険な状態にする。危うくする。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
脅かすの意味①「おどかして恐れさせる。こわがらせて従わせる。」
「脅かす」の一つ目の意味は「おどかして恐れさせる。こわがらせて従わせる。」です。
人や物に危害を加えようとして、または弱点を攻撃しようとして相手を自分に服従させることです。犯罪を犯す場合に、被害者に対して行う行為です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・そして人々の近づく足音に脅かされて法師は逃げていってしまいました。
(出典:ラム/松本恵子訳『シェイクスピア物語』)
・巣が脅かされたときに生じるので、防衛的な行動と解釈することが多い。
(出典:養老孟司『脳の見方』)
・すると青江は、きっとあたしを脅かして何かいわせたいためなんでしょ?
(出典:豊田三郎『リラの手紙』)
・あいつは僕を脅かすために根も葉もないことを言い出したのだと思った。
(出典:福永武彦『海市』)
類語
・威嚇(いかく)
意味:威力をもっておどすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・凄みをきかせる(すごみをきかせる)
意味:すごみのある態度や言葉で脅迫する。(出典:デジタル大辞泉)
・恫喝(どうかつ)
意味:人をおどして恐れさせること。おどし。(出典:デジタル大辞泉)
・脅迫(きょうはく)
意味:相手にあることをさせようと、おどしつけること。(出典:デジタル大辞泉)
脅かすの意味②「 危険な状態にする。危うくする。」
「脅かす」の二つ目の意味は「 危険な状態にする。危うくする。」です。
言い換えると、日々の日常において、何か大きな不安を感じて怖がることです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それで、女が、妻の座にいる周子を脅かそうとしているのかもしれない。
(出典:新津きよみ『訪問者』)
・誰かがそういう立場に立てば、このわたくしの地位が脅かされかねません。
(出典:夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三』)
・ときどき私達を脅かしているものの方へ押し戻されそうになりながら。
(出典:堀辰雄『幼年時代』)
・やつらは人類の発展を脅かすにたるだけの頭脳を持ちあわせていないのだ。
(出典:E・R・バローズ『創元版/ペルシダー・シリーズ(全7巻) 2 翼竜の世界ペルシダー』)
類語
・恐怖(きょうふ)
意味: 恐れおじること。恐ろしく感じること。また、その感じ。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・臆する(おくする)
意味:気後れしておどおどする。おじける。(出典:デジタル大辞泉)
・恐れをなす(おそれをなす)
意味:ひどい目にあうのではないかとこわがる。(出典:デジタル大辞泉)
・おどおど
意味:緊張・不安や恐怖心で落ち着かないさま。(出典:デジタル大辞泉)