繊細
「繊細な心」などのように使う「繊細」という言葉。
「繊細」は、音読みで「せんさい」と読みます。
「繊細」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「繊細」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
繊細の意味
「繊細」には次の二つの意味があります。
1 ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。また、そのさま。
2 感情などがこまやかなこと。また、そのさま。デリケート。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
繊細の意味①「ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。また、そのさま。」
「繊細」の一つ目の意味は「ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。また、そのさま。」です。
不要なものが備わっていないために美しいようすを言います。人の姿や物の形など、実体のある対象に使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・繊細でやさしげなその姿は、とても重そうには見えなかったからである。
(出典:児玉ヒロキ『イット2』)
・彼女の繊細な顔を最も特徴づけているのは、美しくなだらかな眉だった。
(出典:梅田みか『別れの十二か月』)
・かはいい小鳥の足とても、 こんなに繊細な 美くしさは持つてゐない。
(出典:与謝野晶子『晶子詩篇全集拾遺』)
・彼の手は、繊細さを残しながら貧弱ではなく、堅実そうな印象を与える。
(出典:乃南アサ『暗鬼』)
類語
・華奢(かしゃ)
意味:姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・微細(びさい)
意味:きわめて細かく小さいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・精巧(せいこう)
意味:こまかな点にまで行きとどいていて、よくできている・こと(さま)。(出典:大辞林 第三版)
・精妙(せいみょう)
意味:極めて細かく巧みであること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
繊細の意味②「感情などがこまやかなこと。また、そのさま。デリケート。」
「繊細」の二つ目の意味は「感情などがこまやかなこと。また、そのさま。デリケート。」です。
感受性が強く、影響を受けやすいようすを言います。感情や心など、実体のない対象に使います。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ただ和可子は、絵に才能があったぶんだけ生きていくには繊細すぎたの。
(出典:樋口有介『夏の口紅』)
・私自身は、口ではなく目で気持ちを伝え合う日本人の方が繊細で好きである。
(出典:田丸公美子『シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ』)
・町の子供たちのほうが繊細な感覚を身につけているというのは間違いだと思った。
(出典:半村良『魔女伝説』)
・僕の女性の読者なるものはいづれも上に示したやうに繊細な神経を具へてゐる。
(出典:芥川竜之介『変遷その他』)
類語
・デリケート
意味:感受性が強いさま。(出典:大辞林 第三版)
・多感(たかん)
意味:ちょっとしたことにも感情を動かされること。感じやすいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・過敏(かびん)
意味:刺激に対して過度に敏感なこと。(出典:デジタル大辞泉)
・敏感(びんかん)
意味:感覚が鋭いこと。わずかな動きもすぐ感じとるさま。(出典:大辞林 第三版)