竹篦返し
「手痛い竹篦返しを食らう」などのように使う「竹篦返し」という言葉。
「竹篦返し」は、「しっぺがえし・しっぺいがえし」と読みます。
「竹篦返し」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「竹篦返し」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
竹篦返しの意味
「竹篦返し」には次の意味があります。
・すぐに仕返しをすること。(出典:デジタル大辞泉)
禅家の用いる法具の一種である竹篦で打たれたのを打ち返す意味から、やったことに対してすぐさま手痛い反撃を加えられることを指します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・その神をも恐れぬ傲慢さに対する、しっぺい返しを受けたような気がする。
(出典:内田康夫『贄門島(にえもんじま)上』)
・そこで忠次はしっぺい返しに、信康のことを弁解しなかったというのだ。
(出典:稲垣史生『考証[大奥]』)
・運命は、数年の後、アテナイ人たちの上に、しっぺい返しをくらわした。
(出典:モンテーニュ・ミシェル・エケム・ド『モンテーニュ随想録』)
・ちょいと気のつよい兄さんは、その妹に向ってこんなしっぺいがえしもするのではないだろうか。何しろ外じゃ立っているんだからね、せめてうちの中でぐらい権利があるよ。
(出典:宮本百合子『家庭と学生』)
・ですからご一統のお許しをもらい、さっそくしっぺい返しをさせていただきますよ。
(出典:チョーサー/繁尾久訳『精選カンタベリ物語』)
・なにしろ人に悪く言われたり、からかわれたりするようなことをわざとするのが好きで、それというもの、しっぺい返しをして、いつでも手痛く相手をやりこめるだけの口だっしゃだったからだ。
(出典:サンド/篠沢秀夫訳『愛の妖精』)
・「サリー、それはしっぺいがえしというもんだよ」父親が叫んだ。
(出典:モーム/北川悌二訳『人間の絆(下)』)
・代表部にたいする収容所側の反感が、ひどいしっぺいがえしになって俘虜に跳ねかえって行くのでは、調査もそれ以上つづけるわけにいかなくなった。
(出典:久生十蘭『ノア』)