猫の首に鈴を付ける
「それは猫の首に鈴を付けるようなもんだ」などのように使う「猫の首に鈴を付ける」という言葉。
「猫の首に鈴を付ける」は、「ねこのくびにすずをつける」と読みます。
「猫の首に鈴を付ける」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「猫の首に鈴を付ける」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
猫の首に鈴を付けるの意味
「猫の首に鈴を付ける」には次の意味があります。
・いざ実行しようとすると、非常に危険で、だれも進んではやろうとしないことのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)
古代ギリシャの「イソップ寓話集」の一篇から生まれた言葉です。
どうやったら天敵である猫から身を守れるかをネズミたちが相談したところ、近くに来たことが分かるように猫の首に鈴をつけようというアイデアが出て、みんなが賛成しました。
そこで、年寄りネズミが「誰がつけるのか?」と問うたところ、みんなが黙り込んでしまいました。
その情景を、何かを実行するのに誰もやろうとしないというような場面に、例えとして用いられるようになった言葉です。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それを指摘するのは、誰が猫の首に鈴を付けるか、ってことだよ。
・猫の首に鈴を付けるように、誰があの人の暴挙を辞めさせるかということで揉めた。
・猫の首に鈴を付けるという言葉のように、先生は勘違いしているから真実を伝えに行こうとしたが、いざ誰が伝えにいくかということになると皆顔を見合わせて、行こうとはしなかった。
・せっかくいいアイデアが揃ったのに、いざ取り掛かろうとするときになって、まるで猫の首に鈴を付けるように、誰も動こうとはしなかった。
・猫の首に鈴を付けるみたいに、これはきっと誰もやりたがらないよなぁ。
類語
・言うは易く行うは難し(いうはやすくおこなうはかたし)
意味:なにごとも口で言うだけなら簡単だが、実行するのはむずかしい。(出典:ことわざを知る辞典)
・机上の空論(きじょうのくうろん)
意味:机の上で考えただけの、実際には役に立たない意見。実地に適用できないむだな議論。(出典:ことわざを知る辞典)
・砂上の楼閣(さじょうのろうかく)
意味:見かけはりっぱであるが、基礎がしっかりしていないために長く維持できない物事のたとえ。また、実現不可能なことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・座上の空論(ざじょうのくうろん)
意味:座っていて考えた、実際の役に立たない議論。(出典:デジタル大辞泉)
・畳の上の水練(たたみのうえのすいれん)
意味:理論や方法だけはいくら立派でも、実地の練習を経ていないので、実際の役には立たないこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)