狼狽
「財布を忘れて狼狽する」などのように使う「狼狽」という言葉。
「狼狽」は、音読みで「ろうばい」と読みます。
「狼狽」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「狼狽」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
狼狽の意味
「狼狽」には次の意味があります。
・あわてふためくこと。うろたえること。(出典:大辞林 第三版)
「狼」は「オオカミ」、「狽」は「オオカミの一種の獣」を意味しており、狽は狼と一緒に行動し、狼と離れると倒れてしまうところから「狼狽」という言葉が生まれたとされています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その狼狽ぶりを気の毒に思ったのだろう、侘矢がなだめるように言った。
(出典:上橋菜穂子『鹿の王 上』)
・女の狼狽した声が聞こえた。
(出典:レマルク/山西英一訳『凱旋門(上)』)
・ぼくは車に乗せてやりました、ひどく狼狽して、口がきけないんです。
(出典:ガードナー/田中西二郎訳『どもりの主教』)
・それが分っていれば、政府もそれほど狼狽する必要はなかったのである。
(出典:海野十三『今昔ばなし抱合兵団』)
・しかし彼は狼狽のあまり父を待たないで、膝をかけて椅子によじ上った。
(出典:ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』)
類語
・動揺(どうよう)
意味:平静さを失うこと。(出典:大辞林 第三版)
・混乱(こんらん)
意味:いろいろなものが入りまじって、整理がつかなくなること。(出典:デジタル大辞泉)
・当惑(とうわく)
意味:どうしてよいか分からなくて、戸惑うこと。(出典:大辞林 第三版)
・紛糾(ふんきゅう)
意味:乱れもつれること。ごたごたすること。(出典:大辞林 第三版)
・惑乱(わくらん)
意味:冷静な判断ができないほど心が乱れること。(出典:デジタル大辞泉)