烙印
「失格の烙印を押す」などのように使う「烙印」という言葉。
「烙印」は、音読みで「らくいん」と読みます。
「烙印」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「烙印」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
烙印の意味
「烙印」には次の意味があります。
・鉄製の印を焼いて物に押しあてること。また、その跡。刑罰として、罪人の額などに行った。(出典:デジタル大辞泉)
「烙印」は、もともと所有する家畜が自分の牧場のものであることを示すために、鉄製のしるしを焼いて、押し当てる道具でした。その後、戦国時代から江戸時代にかけて、罪人に烙印を焼き付けるようになったことから意味が広がり、現在では何かよくないことの印象があった際に、消しようのない汚名を受ける、または周囲からそのような目で見られることを意味するようになりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一度反逆者の烙印を捺された家の前途を、楽観はしていなかったのである。
(出典:藤沢周平『蝉しぐれ』)
・普通の社会では前科者という烙印が、あの村では名誉の勲章みたいなものだっただろう。
(出典:今邑彩『蛇神』)
・わたしの挑戦を拒んだが最後、どんな騎士でも臆病者の烙印を逃れることはできない。
(出典:エディングス『ベルガリアード物語2 蛇神の女王』)
・国内では早くも「失敗作」との烙印を押されてしまった。
(出典:佐藤正明『ホンダ神話 教祖のなき後で(下)』)
・単なる恋人同士が浮気をしたといって、別に〝不貞〟の烙印は押されないのだ。
(出典:小池真理子『二人で夜どおしおしゃべり』)
類語
・レッテルを張る(れってるをはる)
意味:ある人物などに対して一方的・断定的に評価をつける。(出典:デジタル大辞泉)
・決めつける(きめつける)
意味:一方的に断定する。(出典:デジタル大辞泉)
・憶測(おくそく)
意味:自分でかってに推測すること。(出典:デジタル大辞泉)
・汚名(おめい)
意味:不名誉な評判。悪名。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・偏見(へんけん)
意味:かたよったものの見方・考え方。(出典:精選版 日本国語大辞典)