涅槃
「涅槃に入る」などのように使う「涅槃」という言葉。
「涅槃」は、音読みで「ねはん」と読みます。
「涅槃」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「涅槃」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
涅槃の意味
「涅槃」には次の意味があります。
・煩悩(ぼんのう)の火を消して、智慧(ちえ)の完成した悟りの境地。一切の悩みや束縛から脱した、円満・安楽の境地。仏教で理想とする、仏の悟りを得た境地。(出典:デジタル大辞泉)
「涅槃」は仏教用語で「悟りの境地」を意味する言葉ですが、転じて「釈迦の死」という意味でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この二つを捨てて真の中道を行けば必ず涅槃に達すると云われた。
(出典:新田次郎『槍ヶ岳開山』)
・静かな愛の涅槃のように眠っていた二人の寝像。
(出典:島崎藤村『新生』)
・顔に安らぎの色が浮び、光明が、涅槃の霧の中にただよっていた。
(出典:新田次郎『槍ヶ岳開山』)
・その地獄から解脱するには、寂滅為楽の涅槃に入るより仕方がないのだ。
(出典:萩原朔太郎『老年と人生』)
・恐らくこの世で誰も涅槃など知っている人間はあるまい。
(出典:巖谷大四『懐しき文士たち 戦後篇』)
類語
・成仏(じょうぶつ)
意味:煩悩(ぼんのう)を断ち、無上の悟りを開くこと。(出典:小学館)
・大悟(たいご)
意味:仏語。迷妄を脱して真理を悟ること。(出典:小学館)
・開悟(かいご)
意味:迷いから脱却して真理を悟ること。(出典:小学館)
・菩提(ぼだい)
意味:煩悩(ぼんのう)を断ち切って悟りの境地に達すること。(出典:小学館)
・悟道(ごどう)
意味:仏語。仏道の真理を悟ること。悟りを開いて道理を会得すること。(出典:小学館)