油を売る
「仕事中に油を売る」などのように使う「油を売る」という言葉。
「油を売る」は、訓読みで「あぶらをうる」と読みます。
「油を売る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「油を売る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
油を売るの意味
「油を売る」には次の意味があります。
・むだ話などをして仕事を怠ける。(出典:デジタル大辞泉)
江戸時代に、髪油の行商人がお客さんと世間話をしながら売っていたことからできた言葉です。
むだ話をせずに、単に「仕事を怠ける」「用事の途中で寄り道をする」などの意味でも使います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その内海さんのところで油を売ってると、旦那がお見えになったんです。
(出典:横溝正史『幽霊座』)
・お兄様のぐあいがよくないのにこんなところで油を売ってていいの?
(出典:西東行『鳥は星形の庭におりる』)
・ギャルソンが三人いて、調理場に近いカウンターの辺りで油を売っていた。
(出典:藤田宜永『野望のラビリンス』)
・春子は、家政婦がこの際とばかり油を売るくらいに邪推しているのだった。
(出典:松本清張『事故 別冊黒い画集1』)
・おまけに途中で、熱心な聞き手なんかに油を売ってちゃいけないんです。
(出典:モンゴメリ/中村佐喜子訳『赤毛のアン』)
類語
・道草を食う(みちくさをくう)
意味:途中で他の事にかかずらって時間を費やす。(出典:大辞林 第三版)
・寄り道(よりみち)
意味:目的の場所へ行く途中で、他の所へ立ち寄ること。(出典:大辞林 第三版)
・横道(よこみち)
意味:本筋からはずれた筋道。横筋。(出典:デジタル大辞泉)
・筋違い(すじちがい)
意味:道理にはずれた言動をするさま。(出典:デジタル大辞泉)
・頓珍漢(とんちんかん)
意味:とんまな言動をする・こと(さま)。 (出典:大辞林 第三版)