次第
「式の次第を確かめる」などのように使う「次第」という言葉。
「次第」は、音読みで「しだい」と読みます。
「次第」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「次第」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
次第の意味
「次第」には次の三つの意味があります。
1 物事が行われる際の一定の順序。
2 今まで経過してきた状態。なりゆき。
3 物事の、そうなるに至った理由。わけ。事情。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
次第の意味①「物事が行われる際の一定の順序。」
「次第」の一つ目の意味は「物事が行われる際の一定の順序。」です。
何かを行う際の決められた方法のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・右の次第を繰り返しているとやがて人生の終点へ到達する筈になっている。
(出典:小出楢重『めでたき風景』)
・時局の問題として、問題はそういう次第で提出されているからだ。
(出典:戸坂潤『技術的精神とは何か』)
・彼はこれまでの調査の次第を整理して、報告書をつくって、清書した。
(出典:坂口安吾『明治開化 安吾捕物』)
類語
・順序(じゅんじょ)
意味:物事を行なう手順。仕事のだんどり。順。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・手順(てじゅん)
意味:手をつける順。事をする順序。だんどり。てつづき。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・段取り(だんどり)
意味:物事を行う順序や手順。また、その準備。(出典:デジタル大辞泉)
次第の意味②「今まで経過してきた状態。なりゆき。」
「次第」の二つ目の意味は「今まで経過してきた状態。なりゆき。」です。
未完成である事柄の、現状に至った経緯のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・家康これはいかんと云うので、自ら馬を飛して信長に事の次第を語った。
(出典:菊池寛『長篠合戦』)
・そしてストーナさんを安全な場所へ移し、地元の警察へ事の次第を報告だ。
(出典:ドイル・アーサー・コナン『まだらのひも』)
・僕からソウムズさんに事の次第を話した方が、君は気が楽かもしれない。
(出典:ドイル・アーサー・コナン『三枚の学生』)
類語
・成行き(なりゆき)
意味:物事が次第に変化していくようすや過程。また、その結果。(出典:デジタル大辞泉)
・経緯(いきさつ)
意味:物事のこみいった事情。事件の経過。(出典:デジタル大辞泉)
・顛末(てんまつ)
意味:始めから終わりまでのいきさつ。全部の事情。(出典:精選版 日本国語大辞典)
次第の意味③「物事の、そうなるに至った理由。わけ。事情。」
「次第」の三つ目の意味は「物事の、そうなるに至った理由。わけ。事情。」です。
完成した事柄の、現状に至った理由です。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・今もお聞きの通りの次第で、兄も一生懸命の場合でございます。
(出典:岡本綺堂『正雪の二代目』)
・かように間違えた次第はこの御二方の神のお姿が非常によく似ていたからです。
(出典:稗田阿礼『古事記』)
・そういう次第で心を改め大酒飲みになった訳でもないのだが。
(出典:坂口安吾『日本文化私観』)
類語
・理由(りゆう)
意味:物事がそうなった、また物事をそのように判断した根拠。(出典:デジタル大辞泉)
・事情(じじょう)
意味:物事が、今どうなっているか、また、どう変わってきたかというような細かい状態や理由。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・訳柄(わけがら)
意味: 物事がそうなった理由や事情。わけあい。(出典:精選版 日本国語大辞典)