梨のつぶて
「いつまで経っても梨のつぶて」などのように使う「梨のつぶて」という言葉。
「梨のつぶて」は、訓読みで「なしのつぶて」と読みます。
「梨のつぶて」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「梨のつぶて」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
梨のつぶての意味
「梨のつぶて」には次の意味があります。
・投げられた礫のように、便りをやったのに返事のないこと。「梨」は「無し」に掛けたもの。(出典:デジタル大辞泉)
「つぶて(礫)」は「小石」のことです。
投げられた小石はそのまま返ってこないため、便りの返事がないことにたとえた慣用句です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・私たちは何べんも家を回って、梨のつぶての声をかけておりました。
(出典:浅田次郎『壬生義士伝 上』)
・実家宛てにも手紙を出したが、梨のつぶてだった。
(出典:米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』)
・驚いたことに、二週間たっても、まったくの梨のつぶてであった。
(出典:シャーロット・ブロンテ/大井浩二訳『ジェイン・エア(下)』)
・手紙もこちらからヤイノヤイノと出すばかりで梨の礫。
(出典:安部譲二『塀の中のプレイ・ボール』)
・先生の側からみれば、いったきり、梨のつぶてというわけである。
(出典:魯迅『阿Q正伝』)
類語
・音沙汰(おとさた)
意味:便り。連絡。また、訪れ。(出典:デジタル大辞泉)
・既読スルー(きどくするー)
意味:俗に、メッセンジャーアプリの一つであるLINE上で、既読のメッセージに返信しないまま放置すること(出典:デジタル大辞泉)
・無視(むし)
意味:存在価値を認めないこと。また、あるものをないがごとくみなすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・音無しの構え(おとなしのかまえ)
意味:行動を起こさないこと。働きかけに対して反応を示さないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・音信不通(おんしんふつう)
意味:電話や手紙などによる連絡が何もないこと。(出典:デジタル大辞泉)