月に叢雲花に風
「月に叢雲花に風とはよく言ったものだ」などのように使う「月に叢雲花に風」という言葉。
「月に叢雲花に風」は、「つきにむらくもはなにかぜ」と読みます。
「月に叢雲花に風」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「月に叢雲花に風」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
月に叢雲花に風の意味
「月に叢雲花に風」には次の意味があります。
・世の中の好事には、とかく差し障りが多いことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
わかりやすく言うと、良いことには邪魔が入りやすく長続きしないこと、という意味です。
せっかくの月夜も、雲がむらがって月を隠してしまい、せっかく桜が美しく咲いているのに、風が吹いて散らしてしまう、という情景から生まれたことわざです。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・月に叢雲花に風、ゆうべはせっかくのところを邪魔が入ったのでいけなかったが、今日は一番めかしこんで出かけよう。
(出典:今村信雄編『古典落語(上)』)
・月に叢雲花に風とはよく言ったもので、楽しみにしていた旅行だったのに土砂降りになった。
・見ようと思っているテレビ番組があるのに、月に叢雲花に風でそういう時に限って急用が入る。
・仕事もプライベートも順調だった矢先、病気で入院。人生はまさに月に叢雲花に風だ。
・遠距離恋愛中の彼女と半年ぶりの再会でレストランを予約しているのに、退社時間1時間前に急遽大事な会議が入ってしまった。月に叢雲花に風にならないことを願うしかない。
類語
・好事魔多し(こうじまおおし)
意味:よいことにはじゃまが入りやすい。(出典:デジタル大辞泉)
・花に風(はなにかぜ)
意味:物事にはとかく支障が起こりやすいことのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・寸善尺魔(すんぜんしゃくま)
意味:世の中は、いいことが少なくて、悪いことばかり多いこと。善事が少しぐらいあっても、かならず悪事が起こって邪魔をすること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・花開きて風雨多し(はなひらきてふううおおし)
意味:大事な時にはとかく邪魔が入りやすい、ということのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)
・然うは問屋が卸さない(そうはとんやがおろさない)
意味:そんな安値では問屋が卸売りしない。そんなにぐあいよくいくものではないというたとえ。(出典:デジタル大辞泉)