時世
「時世を鑑みる」などのように使う「時世」という言葉。
「時世」は、音読みで「じせい」と読みます。
「時世」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「時世」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
時世の意味
「時世」には次の意味があります。
・時とともに移り変わる、世の中。(出典:デジタル大辞泉)
時世は、漢字の通りある「時」代の「世」の中という意味をもつ言葉です。一般的に「ご時世」して使わることが多く、その時代の世の中の情勢を表わす表現とセットで使われます。
古い表現として「時世(ときよ)」と読むこともありますが、意味はまったく変わりません。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・倹約が当たり前の時世となれば多少の楽しみも許されるようになるだろう。
(出典:高橋克彦『だましゑ歌麿』)
・日本人全体が精神的にゲリラ化していた時世でもあったのである。
(出典:坂口安吾『明日は天気になれ』)
・復古というようなことが、はたして今の時世に行なわれるものかどうかも疑問だ。
(出典:島崎藤村『夜明け前』)
・食って行くためなら、どんなことだって、しなくちゃならない時世なんだもの。
(出典:佐左木俊郎『街底の熔鉱炉』)
・この人と、この人を竢つ時世とを見て泣いた時から、子路の心は決まっている。
(出典:中島敦『李陵・山月記』)
類語
・時代(じだい)
意味:人の一生におけるある時期。(出典:デジタル大辞泉)
・時節(じせつ)
意味:その時の世の中の情勢。(出典:デジタル大辞泉)
・時期(じき)
意味:ある幅をもった時。期間。(出典:デジタル大辞泉)
・時勢(じせい)
意味:移り変わる時代のようす。世の中の成り行き。(出典:デジタル大辞泉)
・時流(じりゅう)
意味:その時代の風潮。流行。はやり。(出典:精選版 日本国語大辞典)