抑揚
「抑揚をつけて話す」などのように使う「抑揚」という言葉。
「抑揚」は、音読みで「よくよう」と読みます。
「抑揚」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「抑揚」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
抑揚の意味
「抑揚」には次の意味があります。
・話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすること。(出典:デジタル大辞泉)
「抑揚」とは、音楽や声の調子を上げたり下げたりすることを意味します。
調子を強めたり弱めたりすることを表す場合もあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・その声の抑揚にさえ今度はなにか特別はっきりしたものが認められた。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『罪と罰(中)』)
・「あの男を最初に見たのは三月十日です」抑揚のない声で彼は話し始めた。
(出典:東野圭吾『容疑者Xの献身』)
・特に女性の口から、正確な抑揚をつけてしゃべられると、本当に音楽だ。
(出典:胡桃沢耕史『翔んでる警視正 平成篇1 警視正天山南路を行く』)
・抑揚に富んだ音楽性の豊かな言語を、音として聞くことしかできないのだ。
(出典:田中芳樹『薬師寺涼子の怪奇事件簿04 クレオパトラの葬送』)
・天皇の静かな、妙に抑揚のある、しかし感慨のこもった声が聞えてきた。
(出典:巖谷大四『懐しき文士たち 昭和篇』)
類語
・アクセント
意味:話し方の調子。(出典:大辞林 第三版)
・イントネーション
意味:話し言葉で、話の内容や話し手の感情の動きによって現れる声の上がり下がり。(出典:大辞林 第三版)
・語勢(ごせい)
意味:言葉を発する時の勢い。(出典:大辞林 第三版)
・語調(ごちょう)
意味:話す時の抑揚。(出典:大辞林 第三版)
・韻律(いんりつ)
意味:韻文で、音の強弱・長短・高低・言葉のリズム。(出典:大辞林 第三版)