手を焼く
「あの子の言動には手を焼いている」などのように使う「手を焼く」という言葉。
「手を焼く」は、訓読みで「てをやく」と読みます。
「手を焼く」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「手を焼く」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
手を焼くの意味
「手を焼く」には次の意味があります。
・うまく処理できなくて困る。てこずる。もてあます。(出典:デジタル大辞泉)
「手を焼く」とは、文字通り火に焼かれて手をやけどするという意味があります。転じて、手が焼けるほど困る、解決の方法がなかなか見つからなくて対応に困るという意味の慣用句になりました。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・彼はその中で、私が最も手を焼いている十人のうちの一人でもあった。
(出典:パトリシア・コーンウェル『証拠死体』)
・じつのところ、関羽はしぶとい樊城の守備に、手を焼いていたのである。
(出典:陳舜臣『秘本三国志 05 (五)』)
・ 寒すぎる地方は冬になると水の確保に手を焼くことになる。
(出典:支倉凍砂『狼と香辛料Ⅹ』)
・ 相手は、十一年余も、信長自身ですら手を焼いて来た門徒の本拠である。
(出典:吉川英治『新書太閤記(六)』)
・お松だって最初に来た時は、お吉がだいぶ手を焼いていただろうが。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 25 宝船まつり』)
類語
・てこずる
意味:もてあます。扱いかねる。処置に困る。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・持て余す(もてあます)
意味:取り扱い方や処置に困る。もちあつかう。(出典:デジタル大辞泉)
・苦慮(くりょ)
意味:苦心して、いろいろと考えること。思い悩むこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・困難(こんなん)
意味:物事をするのが非常にむずかしいこと。また、そのさま。難儀。(出典:デジタル大辞泉)
・手間取る(てまどる)
意味:思ったより手間がかかる。(出典:デジタル大辞泉)