懺悔
「犯した罪を懺悔する」などのように使う「懺悔」という言葉。
「懺悔」は、音読みで「ざんげ」と読みます。
「懺悔」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「懺悔」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
懺悔の意味
「懺悔」には次の二つの意味があります。
1 神仏の前で罪悪を告白し悔い改めること。
2 自分の罪を悔いて他人に告白すること。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
懺悔の意味①「神仏の前で罪悪を告白し悔い改めること。」
「懺悔」の一つ目の意味は「神仏の前で罪悪を告白し悔い改めること。」です。
仏教やキリスト教などで、神に犯した罪を告白して反省し、許しを請うことを言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あなたは、たったいま懺悔によって罪は消滅すると私に言いましたね。
(出典:平林初之輔『悪魔の聖壇』)
・いうなれば、ここは教会での懺悔室であり、警察の取調室にも似ていた。
(出典:松本清張『事故 別冊黒い画集1』)
・同じ仏教関係の文学でも、懺悔の形をとらないのは、出発点が別なのである。
(出典:折口信夫『お伽草子の一考察』)
・そしてそのあと、いますぐ懺悔をして聖餐を受けたいという希望を述べた。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『カラマーゾフの兄弟(1)』)
類語
・告解(こっかい)
意味:カトリック教会で、「ゆるしの秘跡」の旧称。(出典:デジタル大辞泉)
・ゆるしの秘跡(ゆるしのひせき)
意味:人がその罪を認め、公に言葉で表すことによって、神のゆるしを得ること。(出典:大辞林 第三版)
・悔悛(かいしゅん)
意味:犯した罪を悔い改めること。(出典:大辞林 第三版)
・改悛(かいしゅん)
意味:犯した悪事や過ちを悔い改め、心を入れ替えること。(出典:デジタル大辞泉)
懺悔の意味②「自分の罪を悔いて他人に告白すること。」
「懺悔」の二つ目の意味は「自分の罪を悔いて他人に告白すること。」です。
宗教に限らず、自分の過失を認めて反省し、その過失を表明することを言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もうなにを隠しても無駄だと判断したのか、懺悔するように目を伏せる。
(出典:三上延『ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~』)
・しかし、ハイネが問題としたのは公衆の前で懺悔をした人のことである。
(出典:ドストエフスキー/中村融訳『地下生活者の手記』)
・久次郎は行者の前で一度懺悔したいと云ったが、それも許されなかった。
(出典:岡本綺堂『半七捕物帳』)
・誰かに、この美しい盛岡の町の誰かに、わしは懺悔せねばならなかった。
(出典:浅田次郎『壬生義士伝 下』)
類語
・告白(こくはく)
意味:秘密にしていたことや心の中で思っていたことを、ありのまま打ち明けること。(出典:デジタル大辞泉)
・反省(はんせい)
意味:自分のよくなかった点を認めて、改めようと考えること。(出典:デジタル大辞泉)
・白状(はくじょう)
意味:隠していた事実や自分の犯した罪を申し述べること。(出典:デジタル大辞泉)
・慚愧(ざんき)
意味:自分の言動を反省して恥ずかしく思うこと。(出典:大辞林 第三版)