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慇懃とは?意味、類語、使い方・例文をわかりやすく解説

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慇懃

「慇懃な態度」などのように使う「慇懃」という言葉。

「慇懃」は、音読みで「いんぎん」と読みます。

「慇懃」とは、どのような意味の言葉でしょうか?

この記事では「慇懃」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。

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慇懃の意味

「慇懃」には次の二つの意味があります。

1 真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。
2 非常に親しく交わること。(出典:デジタル大辞泉)

それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。

慇懃の意味①「真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。」

慇懃の一つ目の意味は「真心がこもっていて、礼儀正しいこと。また、そのさま。」です。

慇と懃、どちらも訓読みで「ねんご(ろ)」と読みます。
「慇懃無礼」という四字熟語が知られていることからマイナスイメージを持たれている方も多いですが、慇懃という言葉自体は良い意味を持っています。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・彼女はその像を慇懃に人に見せていたが、死ぬ時にそれを建物に遺贈した。
(出典:ユゴー・ヴィクトル『レ・ミゼラブル』)

・そんな慇懃ぶりなどに用はないといった風で単刀直入に言って返した。
(出典:吉川英治『私本太平記』)

・彼はこのような慇懃な訪問にまったく不慣れというわけではなかった。
(出典:スティーヴンスン/日高八郎訳『ジーキル博士とハイド氏』)

慇懃に手をつき、そこの下座から、立ちはだかっている夫に挨拶あいさつをした。
(出典:本庄陸男『石狩川』)

・夕霧は内大臣に対しては気が置けるとみえて、慇懃な態度で用心している。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)

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類語

丁寧(ていねい)
意味:言動が礼儀正しく、配慮が行き届いていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)

懇ろ(ねんごろ)
意味:心がこもっているさま。親身であるさま。(出典:デジタル大辞泉)

謹厚(きんこう)
意味:つつしみ深く温厚なこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)

折目高(おりめだか)
意味:態度や服装などが礼儀正しくきちんとしているさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)

慇懃の意味②「非常に親しく交わること。」

「慇懃」の二つ目の意味は「非常に親しく交わること。」です。

「慇懃を重ねる」というように、友情や恋愛などについて、仲を深めていくというニュアンスを含んでいます。

小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。

使い方・例文

・倉地が岡を通して愛子と慇懃を通わし合っていないとだれが断言できる。
(出典:有島武郎『或る女』)

・しかし隅田の優位が不明確であればある程、林の態度は慇懃になって行く。
(出典:半村良『石の血脈』)

・微笑のかげが、顔から薄らぎ、さきほどからの慇懃な色も消えてしまった。
(出典:ガードナー/能島武文訳『奇妙な花嫁』)

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類語

親密(しんみつ)
意味:互いの交際の深いこと。(出典:デジタル大辞泉)

友好(ゆうこう)
意味:友達としての親しい交わり。(出典:精選版 日本国語大辞典)

誼(よしみ)
意味:親しい交わり。また、それによる親しみや好意。(出典:精選版 日本国語大辞典)

交情(こうじょう)
意味:交際している相手に対する親しみの情。(出典:デジタル大辞泉)

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