情念
「情念が強い」などのように使う「情念」という言葉。
「情念」は、音読みで「じょうねん」と読みます。
「情念」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「情念」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
情念の意味
「情念」には次の意味があります。
・感情が刺激されて生ずる想念。抑えがたい愛憎の感情。(出典:デジタル大辞泉)
情念は心理学上、激しい感情の流れがせき止められて苦悩を感じるほどの感情を意味する概念です。類語である「激情」や「熱情」とは、激しい感情の動きがある点では共通していますが、「苦悩」にフォーカスが当たっている点で異なります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もっとも、兄のほうも人知れぬ情念を胸にひそめていないとは言えないがね。
(出典:ドイル/鈴木幸夫,鮎川信夫,齊藤重信訳『シャーロック・ホームズ全集(上)』)
・彼はただ自己の心の中の情念と闘っているだけだ。
(出典:吉川英治『三国志』)
・心の平和を保ち、それを乱すいかなる情念ももちあわせてはならない。
(出典:ルソー/太田不二訳『孤独な散歩者の夢想』)
・どのような情念でも、天真爛漫に現われる場合、つねに或る美しさをもっている。
(出典:三木清『人生論ノート』)
・あの男らのように復讐に情念を燃やすことで、心の闇から目を逸らすことができただろうか。
(出典:上橋菜穂子『鹿の王 下』)
類語
・激情(げきじょう)
意味:はげしくたかぶる感情。理性で押えきれない激しい感情。また、強い欲望。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・気概(きがい)
意味:困難にくじけない強い意志・気性。(出典:デジタル大辞泉)
・熱情(ねつじょう)
意味:燃え上がるような激しい感情。また、熱心な気持。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・情熱(じょうねつ)
意味:感情が激しく燃えたつこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・怨念(おんねん)
意味:うらみのこもった思い。うらみに思う気持ち。(出典:デジタル大辞泉)