悟る
「真実を悟る」などのように使う「悟る」という言葉。
「悟る」は、訓読みで「さとる」と読みます。
「悟る」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「悟る」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
悟るの意味
「悟る」には次の三つの意味があります。
1 物事の真の意味を知る。はっきりと理解する。
2 隠されているもの、また自分の運命などについて、それと気づく。感づく。察知する。
3 仏語。迷い・煩悩(ぼんのう)を去って生死を超えた永遠の真理を会得する。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
悟るの意味①「物事の真の意味を知る。はっきりと理解する。」
「悟る」の一つ目の意味は「物事の真の意味を知る。はっきりと理解する。」です。
物事全体を的確に捉えた時などに使われることが多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・あの子たちもやがて自分たちのしたことの重大さを悟る日が来るだろう。
(出典:赤川次郎『幽霊列車』)
・それで今もあなたがここに来られたのはあなたがそれと悟られての事だ。
(出典:河口慧海『チベット旅行記』)
・彼等はいまに、自分が時代に遅れたる作家であったことを悟るであろう。
(出典:海野十三『『地球盗難』の作者の言葉』)
類語
・会得(えとく)
意味:物事の意味を十分理解して自分のものとすること。(出典:デジタル大辞泉)
・理解(りかい)
意味:物事の道理や筋道が正しくわかること。意味・内容をのみこむこと。(出典:デジタル大辞泉)
・把捉(はそく)
意味:しっかりとつかまえること。また、理解すること。(出典:デジタル大辞泉)
悟るの意味②「隠されているもの、また自分の運命などについて、それと気づく。感づく。察知する。」
「悟る」の二つ目の意味は「隠されているもの、また自分の運命などについて、それと気づく。感づく。察知する。」です。
危険などを察知する時に使われる場合が多いです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分がここで殺されるであろう事は、先ほどの神父の笑顔で悟っていた。
(出典:奈須きのこ『Fate/stay night 凛 Unlimited Blade Works TrueEnd Brilliant Years』)
・ハリーはワームテールが何をしようとしているかを、事の直前に悟った。
(出典:ローリング『ハリー・ポッターシリーズ 04b ハリー・ポッターと炎のゴブレット(下)』)
・ようやく修理工は、刑事の質問の重大さを悟って緊張した表情になった。
(出典:森村誠一『科学的管理法殺人事件』)
類語
・察知(さっち)
意味:おしはかって知ること。それと気がつくこと。(出典:デジタル大辞泉)
・直感(ちょっかん)
意味:説明や証明をまたないで、直ちに物事の真相を心で感じ取ること。直観。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・予覚(よかく)
意味:あらかじめさとること。事前に感じとること。(出典:デジタル大辞泉)
悟るの意味③「仏語。迷い・煩悩(ぼんのう)を去って生死を超えた永遠の真理を会得する。」
「悟る」の三つ目の意味は「仏語。迷い・煩悩(ぼんのう)を去って生死を超えた永遠の真理を会得する。」です。
仏道修行の言葉で、お釈迦さまと同じ境地を心に感じた時などに使われます。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・高尚でもなければ悟りの一つも目の前にぶら下げて生きちゃいないのだ。
(出典:入間人間『電波女と青春男 第01巻』)
・ そのときには非常に喜んだ一つの大きな悟りであったのであります。
(出典:倉田百三『生活と一枚の宗教』)
類語
・翻然(ほんぜん)
意味:急に心を改めるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・改悟(かいご)
意味:自分の犯した悪事や失敗を認めて、それをあらため直すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・更生(こうせい)
意味:精神的、社会的に、また物質的に立ち直ること。好ましくない生活態度が改まること。(出典:デジタル大辞泉)