怯懦
「己の怯懦を恥じる」などのように使う「怯懦」という言葉。
「怯懦」は、音読みで「きょうだ」と読みます。
「怯懦」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「怯懦」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
怯懦の意味
「怯懦」には次の意味があります。
・臆病で気が弱いこと。いくじのないこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
主に臆病な態度や内気な性格を表します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これはおよそ武将として恥ずべき怯懦な態度と言うべきであろう。
(出典:南條範夫『山岡鉄舟(二)』)
・それに彼は、自分が友の目に怯懦者として映りはしまいかと怖れた。
(出典:レニエ『燃え上る青春』)
・しかしそれかといって、一切を簡単に怯懦と割切ってしまうことも正直でない。
(出典:中野好夫/安野光雅編『悪人礼賛 ―中野好夫エッセイ集』)
・朝になって眼を覚ました時の彼女には、怯懦ほど自分に縁の遠いものはなかった。
(出典:夏目漱石『明暗』)
・真に生きんとするものはこの両者の一を肯定することに怯懦であってはならない。
(出典:倉田百三『愛と認識との出発』)
類語
・臆病者(おくびょうもの)
意味:臆病な性質の人。物事に対して、すぐこわがったり、尻込みしたりする小心者。臆病人。おくびょうったかり。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・腰抜け(こしぬけ)
意味:意気地がなく、臆病なこと。また、その人。(出典:デジタル大辞泉)
・腑抜け(ふぬけ)
意味:意気地がないこと。気力がなく、しっかりしていないこと。また、その人や、そのさま。腰抜け。(出典:デジタル大辞泉)
・頼り無い(たよりない)
意味:たよりにならない。あてにならない。心もとない。(出典:デジタル大辞泉)
・惰弱(だじゃく)
意味:勢力や体力などが弱いこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)