彷徨
「晩秋の野を彷徨する」などのように使う「彷徨」という言葉。
「彷徨」は、音読みで「ほうこう」と読みます。
「彷徨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「彷徨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
彷徨の意味
「彷徨」には次の意味があります。
・当てもなく歩き回ること。さまようこと。(出典:デジタル大辞泉)
当てもなくというところが大事で、主に行き先を決めずにさまようことを意味します。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・自分の部屋にも帰れず、家を出て近くの暗い通りを彷徨したものだった。
(出典:松本清張『波の塔(下)』)
・象のやうなものが群がつてゐて 郵便局の前をあちこちと彷徨してゐる。
(出典:萩原朔太郎『定本青猫』)
・何のために余と同じ服装をして、こうして江戸の町を彷徨しておるのか。余が誰であるか、そちは存じておるのか。
(出典:林不忘『煩悩秘文書』)
・僕が深夜に彷徨する癖があることを知っていて待ち伏せしていたのだ。
(出典:花村萬月『ゲルマニウムの夜 王国記』)
・自分の肉体を痛めつけながら彷徨を続けている一人の男がそこにいた。
(出典:小林信彦『ビートルズの優しい夜』)
類語
・放浪(ほうろう)
意味:あてもなくさまよい歩くこと。一つ所に定住することなく、転々とさすらうこと。流浪。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・流浪(るろう)
意味:あてもなくさまようこと。所定めず、さすらい歩くこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・漂泊(ひょうはく)
意味:一定の住居や生業がなく、諸方をさまよい歩くこと。さすらうこと。流浪。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・足に任せる(あしにまかせる)
意味:はっきりした行先もなく、また、特に目的も定めないで歩く。あてもなく気ままに歩きまわる。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・浮浪(ふろう)
意味:さすらうこと。一定の住所や職業がなく、あちこちさまよい歩くこと。また、その人。流浪。(出典:精選版 日本国語大辞典)