幕開け
「新時代の幕開け」などのように使う「幕開け」という言葉。
「幕開け」は、「幕」が音読み、「開け」が訓読みで「まくあけ」と読みます。
「幕開け」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「幕開け」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
幕開けの意味
「幕開け」には次の二つの意味があります。
1 芝居で、幕のあくこと。また、その場面。開幕。
2 物事の始まり。まくあけ。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
幕開けの意味①「芝居で、幕のあくこと。また、その場面。開幕。」
「幕開け」の一つ目の意味は「芝居で、幕のあくこと。また、その場面。開幕。」です。
「幕開け」は、舞台幕が上がることを意味しています。「舞台の幕開け」で、「舞台の演目の始まり」という意味になります。この言葉は主に、芝居や舞台などで使われます。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・綿入れを何枚も重ね着して、筵の上にびっしりと座った観客が幕開けを待っている。
(出典:坂東眞砂子『山妣』)
・まだ幕も開いていないのに、一応初日の幕開けを待つところまでこぎつけたという喜びをこめて、この挨拶を口にするのである
(出典:原田宗典『27』)
・舞台にはソファを置き、二部の幕開けは広末と宣伝の樺沢と私の三人の鼎談という趣向だった。
(出典:松永真理『iモード事件』)
・ただ一人しかない花形の女太夫が横死とあっては、演劇囃子も幕開けのしようもない。
(出典:吉川英治『新・水滸伝(三)』)
・夜の部の幕開けに、桃月房子・西美也子が登場すると、客席の前に陣取った白髪頭の老爺が、 「おめでとう、美也子ちゃん」 と、声援を浴びせた。
(出典:難波利三『てんのじ村』)
幕開けの意味②「物事の始まり。まくあけ。」
「幕開け」の二つ目の意味は「物事の始まり。まくあけ。」です。
この場合の「幕開け」は、意味①で紹介した意味を一般化して使われています。冒頭で紹介した「新時代の幕開け」で、「新しい時代の始まり」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・それがあのような惨劇の幕開けになろうとは、誰が予測しえたであろうカ。
(出典:奈須きのこ『Fate/stay night 凛 Unlimited Blade Works TrueEnd -Brilliant Years』)
・歴史的には、あの事件が日中戦争の幕開けのように言われとる。
(出典:竜騎士07『ひぐらしのなく頃に 8 祭囃し編』)
・しかしこうしたことのすべても、真のダニッチの怪事件の幕開けにしかすぎなかった。
(出典:ラヴクラフト『ラヴクラフト全集5-8 ダニッチの怪』)
・なぜなら、今回の異変は終わりを示すものではなく、神と人類の新しい関係の幕開けだからだ。
(出典:山本弘『神は沈黙せず』)
・筑波はその大学国公立時代の華やかな幕開けとも言えるのである。
(出典:渡部昇一『新常識主義のすすめ』)