山賊
「山賊の棲む山」などのように使う「山賊」という言葉。
「山賊」は、音読みで「さんぞく」と読みます。
「山賊」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「山賊」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
山賊の意味
「山賊」には次の意味があります。
・山の中に根拠地をかまえ、旅人や民家などをおそって財物を奪う盗人。(出典:精選版 日本国語大辞典)
日本の昔話や、ヨーロッパ地方の伝説などによく登場する、「危険な人々」というイメージで語られる盗人のことです。
元々森に住む閉鎖的な営みをしていた村を、何も知らない旅人が通り抜けようとするときの恐怖や用心を促すために、大げさに語られている一面もあるようです。
現在の日本では、こういった集落はほぼ存在しないと考えられています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・これら山賊たちが勢力をえたのは、近隣の百姓に愛されていたからである。
(出典:スタンダール/宗左近訳『カストロの尼』)
・あれはねえ、なんでも六天山のなかに山賊が住んでいたんだそうですよ。
(出典:海野十三『少年探偵長』)
・ルフィの目には、驚きにひきつった山賊の顔と、手にした短剣が見えた。
(出典:伊豆平成『PATRONE1 護民官ルフィ&ワイリー』)
・卑劣で強力な山賊に似た日本との長い戦争を我々は耐えなければならない。
(出典:森村誠一『ミッドウェイ』)
・三好家の家臣だなどというのは嘘で、おそらくは山賊上がりでもあろう。
(出典:新田次郎『武田勝頼(一)』)
類語
・凶漢(きょうかん)
意味:人に危害を加える悪者。悪漢。(出典:デジタル大辞泉)
・賊徒(ぞくと)
意味:盗賊の仲間。(出典:デジタル大辞泉)
・悪党(あくとう)
意味:悪事をはたらく者の集団。また、後には一人の場合にもいう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・食わせ物(くわせもの)
意味:表面はさりげなく見せて、実は油断のならない者。(出典:デジタル大辞泉)
・破落戸(ごろつき)
意味:一定の住所、職業を持たず、あちこちをうろついて、他人の弱味につけこんでゆすり、嫌がらせなどをする悪者。(出典:デジタル大辞泉)