寵児
「王の寵児」などのように使う「寵児」という言葉。
「寵児」は、音読みで「ちょうじ」と読みます。
「寵児」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「寵児」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
寵児の意味
「寵児」には次の二つの意味があります。
1 特別にかわいがられる子供。
2 世にもてはやされる人。人気者。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
寵児の意味①「特別にかわいがられる子供。」
「寵児」の一つ目の意味は「特別にかわいがられる子供。」です。
「愛娘」や「愛児」のように、「愛されている子ども」に対して使われるのがこの意味です。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・私は神のよほどの寵児にちがいない。
(出典:太宰治『答案落第』)
・オーナーの寵児として名前を馳せているので、球団も監督もあいつは特別扱い。
(出典:樹生かなめ『~ラベンダー書院物語~ その男、発情中につき』)
・かれこそ運命の寵児で、手に触れるものをことごとく黄金に変えた。
(出典:ペトロニウス/岩崎良三訳『サテュリコン』)
・私が一言言えば、たちどころにパリ中の美しいご婦人方の寵児におなりになるだろう。
(出典:アレクサンドル・デュマ/泉田武二訳『モンテ・クリスト伯』)
・親の寵児ぶりは物見高い京童のあいだで評判になった。
(出典:村井章介『海から見た戦国日本 ―列島史から世界史へ』)
寵児の意味②「世にもてはやされる人。人気者。」
「寵児」の二つ目の意味は「世にもてはやされる人。人気者。」です。
この意味は、「世間的に人気な人」のことで「時代の寵児」であれば、「その時代の人気者」という意味になります。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・兵学校生活は地獄の苦しみであるが、生徒は時代のまさに寵児である。
(出典:森村誠一『ミッドウェイ』)
・そしてそれは僕を一躍世界の寵児にしてくれるかもしれないのだ。
(出典:丘丘十郎『地球発狂事件』)
・音楽するというのは、自分を世界の寵児にするなんていう目的とは元来関係がないんだね。
(出典:松平維秋『松平維秋の仕事』)
・芸能界の寵児が殺されたとあって、マスコミは大々的に報道している。
(出典:森村誠一『夢の原色』)
・大げさにいえば彼は一躍して読物界の寵児になってしまったのだ。
(出典:江戸川乱歩『江戸川乱歩全短編2 本格推理II』)