失念
「失念しておりました」などのように使う「失念」という言葉。
「失念」は、音読みで「しつねん」と読みます。
「失念」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「失念」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
失念の意味
「失念」には次の意味があります。
・うっかり忘れること。ど忘れ。物忘れ。 (出典:デジタル大辞泉)
「失念」は、謙譲語ですので、自分のミスを自分より目上の人などに対して申し出る場合に使う言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・さすが、双方、場所柄と祝い日であることは失念していないようである。
(出典:堀和久『春日局』)
・正直いって、ほかの恋に夢中のときは、失念しているひとなのであるが。
(出典:田辺聖子『新源氏物語』)
・高氏はさっきからの不審が、やっと、自分の失念にあったかと気がついた。
(出典:吉川英治『私本太平記』)
・これ、人の醒時に失念したる人の姓名、文字の解釈等の、夢中に想出することあるゆえんなり。
(出典:井上円了『妖怪学』)
・この時は、かわりにどんな映画を見せてもらったのだったか失念した。
(出典:筒井康隆『不良少年の映画史 PART2』)
類語
・忘失(ぼうしつ)
意味:すっかり忘れてしまうこと。(出典:デジタル大辞泉)
・遺忘(いきゃく)
意味:忘れ去ること。 (出典:デジタル大辞泉)
・置忘(おきわすれ)
意味:物を置いた場所を忘れること。または、置いて持ってくるのを忘れること。
(出典:精選版 日本国語大辞典)
・面忘(おもわすれ)
意味:他人の顔を見忘れること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・廃忘(はいもう)
意味:忘れ去ること。忘却。(出典:デジタル大辞泉)