売り手市場
「売り手市場・買い手市場」などのように使う「売り手市場」という言葉。
「売り手市場」は「売り手」を訓読み、「市場」を音読みで「うりてしじょう」と読みます。
「売り手市場」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「売り手市場」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
売り手市場の意味
「売り手市場」には次の意味があります。
・需要量が供給量よりも大きいため、売り手が買い手に対して有利な立場にある市場の状態。(出典:デジタル大辞泉)
商品や金融の市場のほかにも、就職に関して使われることも多く、その場合は、就職をしたい側(求職者)を「売り手」と呼び、採用する側(求人会社)を「買い手」と呼び、求職者にとって有利な状況を意味します。すなわち、労働力が不足している状態で、求職者にとって、働き口を選べる権利がより強い状況を指します。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・一方、ちょうど始まりかけていた「高度成長経済」は大量の若年労働者を必要としていたから、中卒の少年少女の就職は空前の売り手市場となった。
(出典:高橋孝輝『値段が語る、僕たちの昭和史』)
・昔は売り手市場だったが、いまはその逆で買い手市場である。
(出典:高杉良『金融腐蝕列島(上)』)
・麻季からみれば、まさに売り手市場のモテ方である。
(出典:吉村達也『ワンナイトミステリー3 「香港の魔宮」』)
・医学部なんて、ふつうは売り手市場じゃない?そこで売れ残ってる連中なんて、カスばっかりよ。
(出典:氷室冴子『海がきこえる』)
・日本では常に売り手市場なんだ。
(出典:沢木冬吾『償いの椅子』)
・わがニッポン国は失業問題どころか人手不足で悩んでいるといい、学生などは売り手市場で、中小企業などもみ手しきりで学生に媚びる。
(出典:加東康一『岳史よ、生命あるかぎり』)
・学生独身時代は、下宿を転々と替え、かなりこの業界についてはくわしいつもりだったが、以前のどことなく偏屈な、また人生脱落者めいた手合いは少なく、みなおそろしく張り切っていて、現在は売り手市場らしく、権柄ずくなもののいいかたをする。
(出典:野坂昭如『錬姦作法』)
・パーヴェリュアのいうとおり、いまの求人は売り手市場だ。
(出典:森岡浩之『星界シリーズ 3 家族の食卓』)