国難
「国難に見舞われる」などのように使う「国難」という言葉。
「国難」は、音読みで「こくなん」と読みます。
「国難」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「国難」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
国難の意味
「国難」には次の意味があります。
・国家の災難。一国の危難。(出典:精選版 日本国語大辞典)
つまり「国難」は、「国の存亡に影響するような、危機や災難」のことを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・さしせまる国難に、女大臣アサリとミルキ閣下の対立も、自然解消するよりほかなかった。
(出典:海野十三『十八時の音楽浴』)
・つまり、朝廷と幕府が協力して国難を処理しようというのである。
(出典:池波正太郎『人斬り半次郎 幕末編』)
・当時の若者は、国難に殉じるのは義務と考えていたまでである。
(出典:御田重宝『特攻』)
・わたしは、この朝おこった事件を「国難ここに見る」とさけんだラジオのように国難と観ずることはできなかった。
(出典:加藤典洋『敗戦後論』)
・このような国難の時期に即位した陳叔宝の立場は悲愴なものであった。
(出典:田中芳樹『風よ、万里を翔けよ』)
類語
・国患(こっかん・こくかん)
意味:国家のわざわい。国家の災難。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・国家的危機(こっかてききき)
意味:国家および国民全体に関わる危機。特に、国家の存続が危ぶまれるような苦しい状況、危ない状況。(出典:実用日本語表現辞典)
・危急存亡の秋(ききゅうそんぼうのとき)
意味:生き残るか滅びてしまうかという危ういせとぎわ。(出典:デジタル大辞泉)
・緊急事態(きんきゅうじたい)
意味:大規模な災害や騒乱などが発生して、治安上差し迫った危険が存在する状態。(出典:デジタル大辞泉)
・内憂外患(ないゆうがいかん)
意味:国内のうれうべき事態や外国との間に生じるわずらわしい事態。内外の心配事。(出典:精選版 日本国語大辞典)