噯にも出さない
「自分の苦労を噯も出さない」などのように使う「噯にも出さない」という言葉。
「噯にも出さない」は、訓読みで「おくびにもださない」と読みます。
「噯にも出さない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「噯にも出さない」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
噯にも出さないの意味
「噯にも出さない」には次の意味があります。
・物事を深く隠して、決して口に出さず、それらしいようすも見せない。おくびにも見せない。(出典:デジタル大辞泉)
「噯」は噯気、つまりげっぷのことを指します。
隠し事などを隠している素振りすら見せず、深く隠し通すことを意味する言葉です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・傷はまだ癒えていないはずなのに、その痛みをもうおくびにも出さない。
(出典:丈月城『カンピオーネ! 4 英雄と王』)
・気づいていて、そのことをおくびにも出さなかったことに驚いたのだ。
(出典:東野圭吾『殺人の門』)
・旧時代人が南におるあいだは、そんなことはおくびにも出す気はなかった。
(出典:アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 3 白い竜』)
・氏の作品の表面には人道主義などというものは、おくびにも出ていない。
(出典:菊池寛『志賀直哉氏の作品』)
・すでになにもかもを知っているということはおくびにも出さなかった。
(出典:馳星周『生誕祭(下)』)
・パンディオン騎士だと気づいているようなそぶりはおくびにも出さない。亭主はテーブルにこぼれたビールの跡を、汚れた布でいいかげんに拭いた。
(出典:エディングス『エレニア記1 眠れる女王』)
・むろん心のなかでは、と思っていたが、そんな感情はおくびにも出さない。
(出典:山本弘,友野詳,高井信『妖魔夜行 深紅の闇』)
・が、目の前に相手がいたりすると、そんなことはおくびにも出さない。
(出典:青木雨彦『ことわざ雨彦流』)