器用貧乏
「器用貧乏な人」などのように使う「器用貧乏」という言葉。
「器用貧乏」は、音読みで「きようびんぼう」と読みます。
「器用貧乏」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「器用貧乏」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
器用貧乏の意味
「器用貧乏」には次の意味があります。
・どのようなことでも一応はじょうずにできるため、かえって一つの事に集中できずに終わること。いろいろの事に手軽に役立つため、かえって大成しない様子。(出典:四字熟語を知る辞典)
「器用貧乏」は、何事も器用にこなせるが飛び抜けて大成することが無いという意味なので、褒め言葉としては用いられていません。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・勉強好きで仕事熱心で、そのためつい結婚も遅れてしまっているといった、どこのオフィスにも一人か二人はいる器用貧乏の女性のような感じだ。(出典:堺屋太一『油断!』)
・万能というよりは器用貧乏だったんじゃないかと思うのだけれど。(出典:篠崎砂美『お隣の魔法使い1 ~始まりは一つの呪文~』)
・ただ、これっていうものがないんだよね。あんた器用貧乏だからね〜とかお姉ちゃんに言われたことがある。(出典:沖田雅『先輩とぼく 00』)
・かなめはどちらかというと『器用貧乏』タイプだった。なにをやらせても人より巧いが、真剣に打ちこんでいるものが一つもない。(出典:賀東招二『フルメタル・パニック!短編集3 自慢にならない三冠王?』)
・父をほめるようでおかしいが、学校は中学を出た位であったが知識は広く、何を尋ねても、何をやらせても人並優れていたらしいが、いわゆる器用貧乏というもので、大した成功はしなかった。(出典:宮城道雄『五十年をかえりみて』)
類語
・多芸は無芸(たげいはむげい)
意味:多彩な芸を持っているようだが、いずれも一通りのことしかできず、結局は何の芸も身についていない。多くのことに手を付けては、一つのことに精通することはできない。(出典:ことわざを知る辞典)
・鳴かず飛ばず(なかずとばず)
意味:長い間、何の活躍もできないでいるようす。(出典:故事成語を知る辞典)
・うだつがあがらない
意味:いつも上から押えつけられて、出世ができない。運が悪くてよい境遇に恵まれない。うだちが上がらない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・虻蜂取らず(あぶはちとらず)
意味:二つのものを手に入れようとして、結局、どちらも中途半端に終わり、何も得られないことのたとえ。(出典:ことわざを知る辞典)
・二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)
意味:二つの目標を同時に追求しようとすると、結局、どちらも取り逃がしてしまうことのたとえ。出典:ことわざを知る辞典)