嘯く
「そんなことは知らないと嘯く」などのように使う「嘯く」という言葉。
「嘯く」は、訓読みで「うそぶく」と読みます。
「嘯く」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「嘯く」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
嘯くの意味
「嘯く」には次の三つの意味があります。
1 とぼけて知らないふりをする。
2 偉そうに大きなことを言う。豪語する。
3 猛獣などがほえる。鳥などが鳴き声をあげる。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
嘯くの意味①「とぼけて知らないふりをする。」
「嘯く」の一つ目の意味は「とぼけて知らないふりをする。」です。
本当のことを言いづらい場合に、ユーモアでごまかすことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・それ以上の事情があるのは間違いないだろうに、嘯いて語ろうとしない。
(出典:茅田砂胡『スカーレット・ウィザード 第1巻』)
・彼女は続けて、「日本じゃ大学までが義務教育なのさ」などと嘯いていた。
(出典:西尾維新『クビシメロマンチスト 人間失格・零崎人識』)
・「お勉強のしすぎでもう一個頭が生まれそうなんだよ」と嘯いた。
(出典:入間人間『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生』)
類語
・恍ける(とぼける)
意味:聞かれたことに対して、わざと知らないふりをする。しらばくれる。(出典:デジタル大辞泉)
・抜け抜け(ぬけぬけ)
意味:恥ずべきことを平然と行うさま。ずうずうしいさま。(出典:デジタル大辞泉)
・いけしゃあしゃあ
意味:にくらしいほどに平気でいるさま。非常にあつかましいさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
嘯くの意味②「偉そうに大きなことを言う。豪語する。」
「嘯く」の二つ目の意味は「偉そうに大きなことを言う。豪語する。」です。
自分を大きく見せるために、強気な表現をすることです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・全てが見えていると嘯く者の何人が盤の全てを見据えていると言えるのか。
(出典:鎌池和馬『新約 とある魔術の禁書目録 第12巻』)
・性器的興味をもてないなどと調子よく嘯いていた僕は、いったい、どこにいる。
(出典:花村萬月『ゲルマニウムの夜 王国記』)
・死ぬのは恐くないと嘯いていた過去の自分が愚かに思える。
(出典:池上永一『シャングリ・ラ 上』)
類語
・豪語(ごうご)
意味:大きなことを言うこと。自分の能力や強さなどについて、自信たっぷりに主張すること。また、その言葉。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・居丈高(いたけだか)
意味:人に対して威圧的な態度をとるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・侮る(あなどる)
意味:人を軽くみてばかにする。軽蔑する。見下す。(出典:デジタル大辞泉)
嘯くの意味③「猛獣などがほえる。鳥などが鳴き声をあげる。」
「嘯く」の三つ目の意味は「猛獣などがほえる。鳥などが鳴き声をあげる。」です。
動物が声を発することです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・大きな犬が時々思い出したように、星の多い空を仰いで虎のように嘯きます。
(出典:岡本綺堂『二階から』)
・しかしその次の瞬間には雷のような嘯きを上げながら疾風のように飛びかかった。
(出典:国枝史郎『沙漠の古都』)
・「わたしはメイジだけど、貴族じゃないよ」 フーケは嘯くように言った。
(出典:ヤマグチノボル『ゼロの使い魔 第2巻〈風のアルビオン〉』)
類語
・吠える(ほえる)
意味: 獣などが大声で鳴く。(出典:デジタル大辞泉)
・囀る(さえずる)
意味:小鳥がしきりに鳴く。(出典:デジタル大辞泉)
・鳴く(なく)
意味:鳥・虫・獣などが声を出す。(出典:デジタル大辞泉)