嗜虐
「嗜虐性を煽る」などのように使う「嗜虐」という言葉。
「嗜虐」は、音読みで「しぎゃく」と読みます。
「嗜虐」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「嗜虐」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
嗜虐の意味
「嗜虐」には次の意味があります。
・人や動物に対して苦痛を与えることを好むこと。むごたらしい行為を好む性癖。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、喜んで人や動物などを痛めつけること、またはそのような残忍な行為を好む気質のことを表しています。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・もはや制御がきかなくなり、嗜虐的な快感さえ感じるようになっている。
(出典:橋本紡『半分の月がのぼる空2』)
・むしろ若い美しい女であったことが特高の嗜虐性を煽り立てたようである。
(出典:森村誠一『ミッドウェイ』)
・彼の嗜虐癖を満足させるだけでなく、保身のためにも自白させねばならぬ。
(出典:田中芳樹『紅塵』)
・その姿は十分に支配者の嗜虐心を満たし、それ以上に彼の中の獣を煽あおった。
(出典:鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 6』)
・男たちは恵美子が跳びこんできたのに気がつかぬほど嗜虐の楽しみに夢中になった。
(出典:大藪春彦『非情の女豹』)
類語
・サディズム(sadism)
意味:相手に苦痛を与えることによって性的満足を得る異常性欲。サド。嗜虐症(しぎゃくしょう)。加虐性愛。(出典:デジタル大辞泉)
・S(エス)
意味:俗にサディスト、またはサディズムのこと。(出典:デジタル大辞泉)
・嗜虐症(しぎゃくしょう)
意味:異常性欲の一つ。性対象に対して苦痛を与え、自身が性的な快感を得る症状。加虐嗜愛。サディズム。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・加虐性愛(かぎゃくせいあい)
意味:サディズム。(出典:デジタル大辞泉)
・獣性(じゅうせい)
意味:人間のもつ、肉体的欲望などの動物的な性質。また、人間の凶暴・残忍な一面。(出典:デジタル大辞泉)