合一
「知行合一」などのように使う「合一」という言葉。
「合一」は、音読みで「ごういつ」と読みます。
「合一」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「合一」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
合一の意味
「合一」には次の意味があります。
・一つに合わさること。また、一つに合わせること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
言い換えると、2つ以上のものが1つに合わさること、または合わせることで、もっと端的に言うと、一体化するという意味です。
物理的・科学的に合体したり結合したりというより、哲学や思想、精神論的な文脈において用いられる場合がほとんどです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・まず「信仰とはヴィジョンでも神との合一でもない」という前提がある。
(出典:竹下節子『パリのマリア』)
・そもそも、主観的な自己というものがなく、絶対的な合一の感覚だけがある。
(出典:玄侑宗久『禅的生活』)
・さてわれわれの生きている世界というものは空間と時間との合一された世界である。
(出典:今西錦司『生物の世界』)
・こうしてエックハルトは、キリストと人間の魂との究極的合一を唱えた。
(出典:小杉英了『シュタイナー入門』)
・それはキリストと神とを合一させ、神を理性で規定しようとすることであった。
(出典:養老孟司『ヒトの見方』)
・対等の条件で両朝の合一が成立したとは思われないのであります。
(出典:松本清張『小説東京帝国大学(下)』)
・かかる実在は両者の合一において始めて完全なる具体的実在となるのである。
(出典:西田幾多郎『善の研究』)
・彼は描く時に自己を忘れた、彼は自己と対象の合一を感じた。
(出典:長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(上)』)