仄聞
「仄聞したところでは」などのように使う「仄聞」という言葉。
「仄聞」は、音読みで「そくぶん」と読みます。
「仄聞」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「仄聞」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
仄聞の意味
「仄聞」には次の意味があります。
・少し耳にはいること。人づてやうわさなどで聞くこと。(出典:デジタル大辞泉)
言い換えると、直接ではなく間接的に話を聞くことや、小耳に挟むことを言います。
小説などでの具体的な使い方や類語は下記の通り。
使い方・例文
・仄聞したところ、キミにはそのような人間操作能力があるそうではないか。
(出典:谷川流『6 涼宮ハルヒの動揺』)
・私はただ、一と頃彼に一人の愛人のあつたことを仄聞してゐる。
(出典:堀辰雄『萩原朔太郎』)
・これは夫人から直接に聞いた話ではないが、仄聞したところによれば、こんなこともあったらしい。
(出典:長部日出『鬼が来た 棟方志功伝(下)』)
・男たちの話を横で、あるいは背後で仄聞すると、もう、はじめからしまいまで女の話。
(出典:田辺聖子『イブのおくれ毛 I』)
・が、近頃又広津和郎氏の同じ言葉を正宗白鳥氏にも加へてゐると云ふことを仄聞した。
(出典:芥川竜之介『文芸的な、余りに文芸的な』)
類語
・人伝(ひとづて)
意味:直接にでなく、他人を通して話を伝えたり、聞いたりすること。(出典:デジタル大辞泉)
・又聞き(またぎき)
意味:伝え聞くこと。間接的に聞くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・伝聞(でんぶん)
意味:人から伝え聞くこと。人づてにいいつたわること。いいつたえ。噂に聞くこと。また、その噂。(出典:デジタル大辞泉)
・風聞(ふうぶん)
意味:世間のうわさに伝え聞くこと。(出典:デジタル大辞泉)
・風の便り(かぜのたより)
意味:どこからともなく伝わってくるうわさ。(出典:デジタル大辞泉)