不届き
「不届き者を成敗する」などのように使う「不届き」という言葉。
「不届き」は、「ふとどき」と読みます。
「不届き」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「不届き」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
不届きの意味
「不届き」には次の意味があります。
・道や法に背いた行為をすること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
道理にはずれていて、けしからぬことを意味します。
配慮・注意の足りないことを指すこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・知行所の百姓奴らも不届にも何んだかだと蔭口をいっていると耳にした。
(出典:子母沢寛『父子鷹 下巻』)
・今まで見た限り、誰一人制服改造なんてしている不届き者は存在していない。
(出典:今野緒雪『マリア様がみてる 9 チェリーブロッサム』)
・そんな不届きなことを考えてから、私は別にいらないのだと思い当たる。
(出典:高野和『七姫物語』)
・手討ちの理由は「不届きの儀これあり」と書くよりほかに法はなかった。
(出典:山田風太郎『忍びの卍(まんじ)』)
・この会社に、そういう不届きな男がいなかったのだと安心した。
(出典:源氏鶏太『停年退職』)
類語
・不埒(ふらち)
意味:法にはずれていること。けしからぬこと。また、そのさま。ふつごう。ふとどき。不法。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・法外(ほうがい)
意味:定まった法にはずれること。のりをこえること。法律の外。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・不徳(ふとく)
意味:人の行うべき道に反すること。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・沙汰の限り(さたのかぎり)
意味: 是非を論じる範囲をこえていること。論外。また、言語道断。もってのほか。(出典:デジタル大辞泉)
・非道(ひどう)
意味:人としてのあり方や生き方にはずれていること。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)