三行半
「三行半を突き付ける」などのように使う「三行半」という言葉。
「三行半」は、「みくだりはん」と読みます。
「三行半」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「三行半」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
三行半の意味
「三行半」には次の意味があります。
・江戸時代、夫から妻への離縁状の俗称。離縁する旨と、妻の再婚を許可する旨を書いたもの。転じて、離縁すること。(出典:デジタル大辞泉)
「三行半」は、江戸時代の離婚届を意味する言葉であり、内容を三行半で書く慣習があったので、このような言葉が生まれたとされています。
転じて「三行半」は、現在では「離婚すること」や「恋人と別れること」などの意味でも使われています。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・三行半を突き付けられた男が、妹に付き添ってもらって、おどおど嫁を連れ戻しに行く。(出典:伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第8巻』)
・そしてこの離縁状というのは、ふつう、三行半に書いたので、俗に「みくだりはん」と呼ばれたという。(出典:池田弥三郎『手紙のたのしみ』)
・実際はそんなことでも、女が男に三行半を下す理由に十分なり得るのだ。(出典:大槻ケンヂ『のほほん雑記帳』)
・石井良助博士の説明によると、これを三行半で書くという理由は特になく、ただ近世中期以降に、世間的な習慣となってひろまったのにすぎないという。(出典:池田弥三郎『手紙のたのしみ』)
・するとたぶんその翌日の朝だ、僕は彼女から本当に三行半と言ってもいい短かい絶縁状を受取った。(出典:大杉栄『自叙伝』)
類語
・離婚(りこん)
意味:夫婦が生存中に法律上の婚姻関係を解消すること。(出典:デジタル大辞泉)
・離別(りべつ)
意味:夫婦の関係を断って別れること。離婚。(出典:デジタル大辞泉)
・離縁(りえん)
意味:夫婦や養親子の関係を絶つこと。(出典:デジタル大辞泉)
・絶縁(ぜつえん)
意味:関係を絶つこと。縁を絶ち切ること。(出典:デジタル大辞泉)
・暇状(いとまじょう)
意味:離縁状。去り状。暇文。(出典:精選版 日本国語大辞典)