一過性
「この痛みも一過性だから心配いらないよ」などのように使う「一過性」という言葉。
「一過性」は、音読みで「いっかせい」と読みます。
「一過性」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「一過性」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
一過性の意味
「一過性」には次の意味があります。
・医学で、症状が短期間起こり、すぐ消える性質。また、一般に、すぐに現れて、またすぐに消えてしまうような性質。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「一過性」をわかりやすく言うと、消えることが分かっている一時的な事柄を指し、病気などの症状以外にも、流行や景気などの一時的な現象にも使われます。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・一過性の人間関係でも、殺されるような怨うらみを買う可能性は充分にある。
(出典:森村誠一『棟居刑事 悪の山』)
・この一過性幻視の時期に、人の顔が見える症例が実際にあるのである。
(出典:中村希明『怪談の科学―幽霊はなぜ現れる』)
・ただ一過性の遊びを求めただけではないのか。
(出典:阿刀田高『花の図鑑(下)』)
・ええ、もちろん一過性の頭痛や腹痛ですとか、そういうことを言っているのではなく。
(出典:鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 3』)
・誰の胸にも、この空襲は一過性のもので、明日も明後日もくりかえされるものではないという確信があった。
(出典:光瀬龍『紐育、宜候-SF〈太平洋戦争〉)
類語
・一時的 (いちじてき)
意味:物事が長続きしないさま。その時かぎり。(出典:デジタル大辞泉)
・ブーム
意味:ある物が一時的に盛んになること。(出典:デジタル大辞泉)
・単発 (たんぱつ)
意味:一度きりであとの続かないもの。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・暫時 (ざんじ)
意味:しばらくの間。わずかな時間。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・経過 (けいか)
意味:時間がすぎてゆくこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)