ヒアリング
「ヒアリングを行う」などのように使う「ヒアリング」という言葉。
「ヒアリング」は、英語で「hearing」と表記します。
「ヒアリング」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ヒアリング」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ヒアリングの意味
「ヒアリング」には次の三つの意味があります。
1 外国語の聞き取り。また、その練習。
2 (公的機関や会社が行なう)意見の聴取と説明を兼ねた会議。
3 聞き取り調査。(出典:精選版 日本国語大辞典)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
ヒアリングの意味①「外国語の聞き取り。また、その練習。」
「ヒアリング」の一つ目の意味は「外国語の聞き取り。また、その練習。」です。
「英語のヒアリング」などの場合はこの意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・この中学には特別講師として勤めていて、ヒアリングの授業をするときにだけ教室をまわっているという。
(出典:大道珠貴『裸』)
・おかげで、英語のヒアリングはかなり得意になったと思う。
(出典:喜多嶋隆『8月のカモメたち』)
・正確にはヒアリングできていないと思うが、意味は大体わかる。
(出典:鳥飼否宇『中空』)
類語
・聞取り(ききとり)
意味:外国語を聞いて理解すること。(出典:デジタル大辞泉)
・聞取(ききとり)
意味:外国語を聞いて理解すること。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・聴取(ちょうしゅ)
意味:聞き取ること。(出典:デジタル大辞泉)
ヒアリングの意味②「(公的機関や会社が行なう)意見の聴取と説明を兼ねた会議。」
「ヒアリング」の二つ目の意味は「(公的機関や会社が行なう)意見の聴取と説明を兼ねた会議。」です。
「公聴会」や「聴聞会」と言うこともあります。
意見を聞くと同時に説明も行います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・通産省へ高炉の設備計画書を出して暫くして、通産省でヒアリングが行われた。
(出典:山崎豊子『華麗なる一族 上』)
・今後の参考とするため、各界の関係者によるヒアリングを行います。
・この提案に関して団体ヒアリングを開催いたします。
類語
・公聴会(こうちょうかい)
意味:国会や行政機関などが、影響力の大きい事柄を決定する際、参考として公開の席上で学識経験者や利害関係人などから意見を聴聞する制度。または、その会。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・有識者会議(ゆうしきしゃかいぎ)
意味:各界を代表する学識経験者や実務経験者などで構成される会議。主として国・地方自治体などの諮問機関として設置される。(出典:デジタル大辞泉)
・聴聞会(ちょうもんかい)
意味:行政機関が、規則の制定、行政処分または行政上の裁判をするにあたり、その行為の適法性・正当性を期して、行政手続の一つとして利害関係人や第三者の意見を聞くために開く会合。(出典:百科事典マイペディア)
ヒアリングの意味③「聞き取り調査。」
「ヒアリング」の三つ目の意味は「聞き取り調査 」です。
直接に意見を聞くなどして、調査することを意味します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・佐々木のヒアリングをもう一度すべきではないか、と北野は陣内に問題提起するつもりだった。
(出典:高杉良『呪縛 金融腐蝕列島II(上)』)
・彼も浜本も、優嗣が殺害されたという報せを聞いて病院に駈けつけ、そこで昨夜のうちに警察からのヒアリングを受けていた。
(出典:有栖川有栖『あるYの悲劇』)
・それから十分ほど、本店に入った新入社員の様子や得意客の近況をヒアリングして、腰を上げた。
(出典:有栖川有栖『ダリの繭』)
類語
・インタビュー
意味:調査や診断のため対象となる人と面接すること。(出典:栄養・生化学辞典)
・取材(しゅざい)
意味:記事や作品の材料を、ある物事や事件・人などから取ること。(出典:デジタル大辞泉)
・質問(しつもん)
意味:わからないところや疑わしい点について問いただすこと。また、その内容。(出典:デジタル大辞泉)