テトロドトキシン
「テトロドトキシンはふぐ毒に含まれる」などのように使う「テトロドトキシン」という言葉。
英語では「tetrodotoxin」と表記します。
「テトロドトキシン」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「テトロドトキシン」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
テトロドトキシンの意味
「テトロドトキシン」には次の意味があります。
・フグ(学名テトロドン)の毒(トキシン)成分。猛毒。(出典:小学館 日本大百科全書)
「フグ」は学名を「テトロドン」といい、「トキシン」は「生物毒」を意味します。
「テトロドトキシン」をわかりやすく言うと「フグの毒」という意味です。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・フグの毒は、テトロドトキシンとよばれ、日本の学者によって研究が進められた。
(出典:石毛直道『食生活を探検する』)
・またテトロドトキシンは、アコニチンと同様検出しにくい毒の一つでもあった。
(出典:上野正彦『死体は告発する』)
・さらに被害者の血液を精密検査したところ、新たにテトロドトキシンが検出されたのである。
(出典:上野正彦『死体は告発する』)
・そのカップは私が背をむけると同時にテトロドトキシン入りのカップとすりかえられた。
(出典:都筑道夫『猫の舌に釘をうて』)
・テトロドトキシンは、私がちょろまかした一服だけに、入っていたのだ。
(出典:都筑道夫『猫の舌に釘をうて』)
類語・関連語
・アルカロイド(alkaloid)
意味:植物界に広く分布し、動物に対して特異な、しかも強い生理作用をもつ塩基性窒素を含んだ有機化合物の総称。(出典:小学館 日本大百科全書)
・河豚(ふぐ)
意味:硬骨魚綱フグ目フグ科Tetraodontidaeの魚類の総称。広義にはフグ目Tetraodontiformesの魚全般をさす。(出典:小学館 日本大百科全書)
・フグ中毒(ふぐちゅうどく)
意味:有毒フグの内臓や組織内(とくに卵巣や肝臓)に含まれるテトロドトキシンとよばれる神経毒を摂取することによりおこる食中毒の一種。(出典:小学館 日本大百科全書)
・田原良純(たはらよしみず)
意味:1909年(明治42)フグ毒成分の結晶を抽出、テトロドトキシンと命名し、医療に供す。フグ毒の化学的研究の先駆で、本研究により1921年(大正10)帝国学士院賞受賞。(出典:日本大百科全書)
・神経毒(しんけいどく)
意味:体内に摂取されると神経系の障害を起こす毒。(出典:デジタル大辞泉)