アンソロジー
「アンソロジーに収録する」などのように使う「アンソロジー」という言葉。
英語では「anthology」と表記します。
「アンソロジー」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「アンソロジー」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
アンソロジーの意味
「アンソロジー」には次の意味があります。
・国別、流派別、主題別など、一定の基準で選ばれた詩歌集・文芸作品集。名詩選。詞華集。(出典:精選版 日本国語大辞典)
アンソロジー(anthology)は、ギリシャ語の「anthos(花)+legein(摘む)」に由来する言葉で「花を集めたもの、花束」を意味します。
そこから、美しい詩文を集めた書物のことを「アンソロジー」というようになりました。
代表的なアンソロジー作品としては、万葉集や小倉百人一首、新古今和歌集などがあります。
ただ、現代においては詩文のみならず、より広義的に小説やマンガなどの同人誌、映画や絵画などの芸術作品をまとめたものについても、アンソロジーという場合もあるようです。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・このままショートショートのアンソロジーに入れてもおかしくない話だ。
(出典:星新一『できそこない博物館』)
・旅をテーマにした短編小説のアンソロジーだった。
(出典:村上春樹『1Q84 BOOK2』)
・米、独、ソ連で出版された三種のアンソロジーに私の作が収録せられた。
(出典:江戸川乱歩『江戸川乱歩全短編3 怪奇幻想』)
・同じSF作家でアラン・ナースやリチャード・ウイルスンの短篇もイギリスでは高く評価されたのに、日本ではその一部をアンソロジーでしか読めなかったのは残念なことである。
(出典:ディック/仁賀克雄訳『ウォー・ヴェテラン』)
・最近、アメリカで無声喜劇のアンソロジーのようなものが盛んにつくられているのも、単なるノスタルジアからではなく、やはり〈ここに真の映画あり〉といった気持からでたことではなかろうか。
(出典:小林信彦『世界の喜劇人』)
類語
・オムニバス
意味:映画・演劇・文学などで、いくつかの独立した短編を集め、全体として一つの作品となるように構成したもの。(出典:デジタル大辞泉)
・撰集(せんしゅう)
意味:多くの人の詩歌・文章などをえらび出して編集すること。また、その集。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・詞花集(しかしゅう)
意味:美しい詩文を集めた書物。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・歌集(かしゅう)
意味:和歌を集めた本。(出典:デジタル大辞泉)
・句集(くしゅう)
意味:俳句や連句を収録した書物。(出典:精選版 日本国語大辞典)