しなやか
「しなやかな体」などのように使う「しなやか」という言葉。
「しなやか」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「しなやか」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
しなやかの意味
「しなやか」には次の二つの意味があります。
1 柔軟で、弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。
2 動作・態度に角張ったところがなく、なよやかなさま。たおやかで優美なさま。(出典:大辞林 第三版)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
しなやかの意味①「柔軟で、弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。」
「しなやか」の一つ目の意味は「柔軟で、弾力に富んでいるさま。よくしなうさま。」です。
人や物などの「柔らかさの中に強さも感じさせるようす」を言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・柔らかくしなやかな美しい体をしていたが、女たちと違って清潔だった。
(出典:篠田節子『美神解体』)
・鞭はとてもしなやかだったので、ひと打ちごとに宙でヒューッと鳴った。
(出典:アポリネール/須賀慣訳『一万一千本の鞭』)
・その手には、蛇へびのようにとぐろを巻く長いしなやかな鞭が握られていた。
(出典:川又千秋『時間帝国』)
類語
・柔軟(じゅうなん)
意味:やわらかく、しなやかなさま。(出典:デジタル大辞泉)
・柔靭(じゅうじん)
意味:しなやかで、しかも強いさま。(出典:デジタル大辞泉)
・屈曲(くっきょく)
意味:折れまがること。 (出典:大辞林 第三版)
・弾力(だんりょく)
意味:外力を加えられ変形した物体が、外力に抗して元の形に戻ろうとする力。(出典:大辞林 第三版)
しなやかの意味②「動作・態度に角張ったところがなく、なよやかなさま。たおやかで優美なさま。」
「しなやか」の二つ目の意味は「動作・態度に角張ったところがなく、なよやかなさま。たおやかで優美なさま。」です。
雰囲気や動きなどの「柔らかく美しいようす」を言います。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・少しずつ熱を失ってゆく夏の夜の空気はしなやかに研ぎ澄まされている。
(出典:尾崎豊『黄昏ゆく街で』)
・男の記憶の中で、しなやかな女になりさえすれば、それで気はすむのだ。
(出典:林真理子『短篇集 少々官能的に』)
・手脚から指の関節までしなやかに動いて、ほんものの人間のようである。
(出典:横溝正史『金田一耕助ファイル10 幽霊男』)
・それが、わたしの荒んだ心をしなやかなものに変えてゆくような気がした。
(出典:川又千秋『邪火神』)
類語
・優雅(ゆうが)
意味:上品でみやびやかなこと。やさしい美しさのあること。(出典:大辞林 第三版)
・優艶(ゆうえん)
意味:やさしくしとやかなこと。あでやかで美しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・婉麗(えんれい)
意味:しとやかで美しいこと。(出典:デジタル大辞泉)
・寛雅(かんが)
意味:ゆったりとして優雅な・こと(さま)。(出典:大辞林 第三版)