しこたま
「しこたまお酒を飲む」などのように使う「しこたま」という言葉。
「しこたま」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「しこたま」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
しこたまの意味
「しこたま」には次の意味があります。
・数量の多いようすを表す俗な言い方。(出典:デジタル大辞泉)
しこたまの類語には、共通して数量がとても多いことを表わす意味が含まれますが「どのようにたくさんあるか」によって言葉から受ける印象は少し違ってきます。
「しこたま」や「どっさり」は質量感を感じさせるようなずっしりとした数の多さを感じさせる表現ですが、「山ほど」は山のようにかさばるほど、数が多くあることを表わす表現です。
また「たっぷり」には、満ちあふれるほど量が十分あるというイメージがあります。
自分の表現したいものの数量感を表わすのに適した語句を選択するとよいでしょう。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・田坂はすでにどこかでしこたま飲んできたらしく、かなり酩酊していた。
(出典:小池真理子『ひるの幻 よるの夢』)
・久しぶりで戸外に出た父は、むだ話の材料をしこたま持って帰っているに違いない。
(出典:有島武郎『星座』)
・金はしこたま蓄えていたが、虎視眈々ともっと役まわりがよくなることを狙っていた。
(出典:ドストエフスキー/北垣信行訳『カラマーゾフの兄弟』)
・祥雲氏は仲間の彫刻家達と一緒に、牛肉と松茸とをしこたま買込んで来た。
(出典:薄田泣菫『茶話』)
・いや、ぼくは大石さんが二十年間もここで商売をして、しこたま儲けたことを知っていますからね。
(出典:松本清張『絢爛たる流離』)
類語
・山ほど(やまほど)
意味:たくさんあるさま。(出典:デジタル大辞泉)
・たんまり
意味:たくさんあるさま。非常に多いさま。(出典:デジタル大辞泉)
・大量(たいりょう)
意味:数量の多いこと。たくさんなこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
・どっさり
意味:数量の多いさま。たくさん。(出典:デジタル大辞泉)
・だっぷり
意味:満ちあふれるほど十分にあるさま。(出典:デジタル大辞泉)