ごますり
「ごますり野郎」などのように使う「ごますり」という言葉。
「ごますり」は、漢字では「胡麻擂り」と表記します。
「ごますり」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「ごますり」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
ごますりの意味
「ごますり」には次の意味があります。
1へつらって自分の利益をはかること。人に取り入ること。また、そういう人。(出典:デジタル大辞泉)
へつらうことを強調されて用いられる傾向が強い言葉です。
自身への利を最優先に考え、プライドを持たずに行動する様を表します。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ごますりをやるつもりが失言ばかりしてますます彼を怒らせてしまう。
(出典:筒井康隆『48億の妄想』)
・まるで職務怠慢の現場を見つかって猫なで声でごますりを言う時みたいな口調だった。
(出典:ダイン/鈴木幸夫訳『僧正(ビショップ)殺人事件』)
・「あらあ、そこで冴えない顔してるのはごますり男やん」 背後から声がかかった。
(出典:榊涼介『ガンパレード・マーチ 5-5121小隊 episode ONE』)
・ごますりは、恐喝よりも唾棄すべきものである。
(出典:ビアス/奥田俊介,倉本護,猪狩博訳『悪魔の辞典』)
・あまたの不実な追従者やごますりどもが、あなた方お歴々の館にはびこり、真実を告げる者よりも、断然あなた方をはるかに嬉しがらせている。
(出典:チョーサー/繁尾久訳『精選カンタベリ物語』)
・「昔の官庁の上役か、どこかの重役どもとでも、ごますりゴルフでもやってりゃいいんだ」
(出典:小松左京『日本沈没 b下巻』)
類語
・八方美人(はっぽうびじん)
意味:だれからも悪く思われないように、如才なくふるまうこと。また、その人。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・媚(こび)
意味: 人の顔色をうかがって、気に入るようにふるまうこと。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・掌を返す(たなごころをかえす)
意味:簡単に態度や考え方などが変わることのたとえ。(出典:デジタル大辞泉)
・漁夫の利(ぎょふのり)
意味:他人の争いごとに乗じて、何の苦もなく利益を得ることのたとえ。(出典:故事成語を知る辞典)