籠(かご)の鳥
「1週間は籠の鳥」などのように使う「籠の鳥」という言葉。
「籠の鳥」は、訓読みで「かごのとり」と読みます。
「籠の鳥」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「籠の鳥」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
籠の鳥の意味
「籠の鳥」には次の意味があります。
・籠の中の鳥のように、身の自由が束縛されている状態のたとえ。また、そのような境遇の人。(出典:デジタル大辞泉)
絶対外出不可能な状態に心身を置かれたときの例えとして用います。自らが外出不可能な状況を作るのでは無く外部からの原因により外出が不可能になった場合のことです。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・こうして彼女たちは逃げることのできない「かごの鳥」として働くのである。
(出典:呉善花『スカートの風』)
・それまで「かごの鳥」だった皇太子は、イギリスで初めて人としての真の自由の貴重さ楽しさを知ったのだった。
(出典:山下丈『ブルー・ブラッド ―ヨーロッパ王家の現代』)
・わたしはそのとき、かごの鳥として満足しているじぶんの身の、安全と、安楽とを、つくづくと思いめぐらしたことでした。
(出典:H・ロフティング/井伏鱒二『ドリトル先生物語全集(全12巻) 11 ドリトル先生と緑のカナリア』)
・寄宿舎に閉じこめられてかごの鳥のごとく小さくなっている師範生の目から見ると、中学生の生活はまったく不潔であり放縦であり頽廃的である。
(出典:佐藤紅緑『ああ玉杯に花うけて』)
・若くてはねかえり、まして自分が年よりだから大工は嫉妬深く、ご新造をかごの鳥とばかりとじこめていた。
(出典:チョーサー/繁尾久訳『精選カンタベリ物語』)
・どんなにイギリスへ渡りたいと思っても、ぼくは島へは行かない。島へ行ったら、もうかごの鳥だ。
(出典:イネス/大門一男訳『蒼い氷壁』)
・たしかに、わたしは世間知らずのかごの鳥ですよ。しかし、おまえのことや、おまえの同類のことぐらいは知っているよ。
(出典:H・ロフティング/井伏鱒二『ドリトル先生物語全集(全12巻) 11 ドリトル先生と緑のカナリア』)
・九二 かごの鳥の唄 籠の鳥のような境遇の女性のことをうたった流行歌。
(出典:林芙美子『放浪記』)