カンタータ
「カンタータ形式」などのように使う「カンタータ」という言葉。
「カンタータ」は、イタリア語で「Cantate」と書きます。
「カンタータ」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「カンタータ」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
カンタータの意味
「カンタータ」には次の意味があります。
・独唱・重唱・合唱などに器楽・管弦楽の伴奏がついた大規模な声楽曲。(出典:デジタル大辞泉)
17~18世紀前半のイタリアで、器楽曲を意味する「ソナタ」に対するものとして発展した音楽形式です。「レチタティーヴォ」や「アリア」などの歌唱様式を用いた複数の楽章から構成されています。
ちなみに「カンタータ」は、歌うを意味する「Cantare(カンターレ)」が語源とされています。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・私の印象から言うと、これはカンタータといっていいものではありませんか。
(出典:柴田南雄『クラシック名曲案内ベスト151』)
・彼の作曲したカンタータは、三百曲の多きに上っている。
(出典:野村胡堂『楽聖物語』)
・それでもまだカンタータの類が大量に残っているから、愉しみは尽きないわけだ。
(出典:福永武彦『第四随筆集 夢のように』)
・そのなかのカンタータの一つはたいへん好評だった。
(出典:ルソー/桑原武夫訳『告白(上)』)
・カンタータはNHK交響楽団によって、御成婚の当日演奏されているのである。
(出典:村松剛『三島由紀夫の世界』)
・カンタータの一四七番が悪かったんだ。
(出典:山田詠美『姫君』)
・奏鳴曲ができ上がったらすぐに、短いイタリア風カンタータを探してそれを作曲します。
(出典:モーツァルト/服部龍太郎訳『モーツァルトの手紙』)
・音楽を単なる雑音としか思っていなかった神崎が、千住の仕事を始めてからわずか数か月の内に、バッハのカンタータの成立にまで通じるようになったのは、神崎の仕事に賭ける情熱の現われでもあった。
(出典:赤川次郎『死者は空中を歩く』)