顰め面
「顰め面をしてみせた」などのように使う「顰め面」という言葉。
「顰め面」は、訓読みで「しかめづら」もしくは「しかみつら」と読みます。
「顰め面」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「顰め面」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
顰め面の意味
「顰め面」には次の意味があります。
・まゆのあたりにしわを寄せた、不機嫌そうな顔。渋面(じゅうめん)。しかみづら。しかめっつら。しかめがお。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「顰め面」は、自分の意に反すること、好まないことなどに対する不満の表情です。
「しかめっ面」や「顰めっ面」と書くこともあります。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・モトは虫を嫌う時と同じ顰め面をし、その声を聞こえなかったことにした。
(出典:岩井志麻子『夜啼きの森』)
・家の体面も、親父の顰め面も忘れて、ひたすらに酒と女が恋しいだけだ。
(出典:藤沢周平『又蔵の火』)
・私は不図、先刻擦れちがった時の、女の人の、顰め面を憶い出した
(出典:志賀直哉『小僧の神様・城の崎にて』)
・汗でかすんだ眼にサルを罐詰にしたような、小さな、赤いしかめつらが見えた。
(出典:開高健『青い月曜日』)
・しかめっ面をしてしばらく考えこんでから、鍋島は大きく溜息をついた。
(出典:筒井康隆『大いなる助走』)
類語
・渋面(しぶつら)
意味:不満そうな顔つき。苦りきった顔。じゅうめん。しぶっつら。(出典:デジタル大辞泉)
・眉を顰める(まゆをひそめる)
意味:心配なことがあったり、また、他人の嫌な行為に不快を感じて顔をしかめる。眉根を寄せる。(出典:デジタル大辞泉)
・苦虫を潰す(にがむしをつぶす)
意味:不愉快なさま、つらい気持であるさま、また、いつもにがにがしいさまをすることや人を形容していう。(出典:精選版 日本国語大辞典)
・仏頂面(ぶっちょうづら)
意味:無愛想な顔。不機嫌な顔。ふくれっつら。(出典:大辞林 第三版)
・膨れっ面(ふくれっつら)
意味:不平・不満などでむっとした顔つき。また、その顔。ふくれづら。 (出典:大辞林 第三版)