情けは人の為ならず
「情けは人の為ならずなので、積極的にボランティアに参加してみましょう。」などのように使う「情けは人の為ならず」という言葉。
「情け人の為ならず」は、訓読みで「なさけはひとのためならず」と読みます。
「情けは人の為ならず」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「情けは人の為ならず」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
情けは人の為ならずの意味
「情けは人の為ならず」には次の意味があります。
・「情けは、相手の幸福を目的としてかけるものではなく、巡り巡って自分の幸福につながるものだから、かけておいた方がよい」ということ。(出典:とっさの日本語便利帳)
「将来的に自分自身のためになるので、他人には親切にした方がよい」という意味です。
「情けをかけることはその人の為にならない」とする説もありますが、現在では誤りとされています。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
情けは人の為ならずの使い方・例文
・世の中、持ちつ持たれつといってな、情けは人のためならず、明日ありと思う心の徒桜というではないか。
(出典:鮎川哲也『朱の絶筆』)
・善兵衛はひきさがらず、情けは人のためならず、ということをこんこんと説いた。
(出典:山田風太郎『修羅維新牢』)
・情けは人の為ならずというから、ここは大目に見てやろう。
・情けは人の為ならず、今回だけは勘弁してやる。
・情けは人の為ならずとはいうものの、貴さまだけは許せん。
類語
・片棒を担ぐ(かたぼうをかつぐ)
意味:計画に加わって協力する。荷担する。(出典:デジタル大辞泉)
・還元(かんげん)
意味:物事をもとの形・性質・状態などに戻すこと。(出典:デジタル大辞泉)
・巡り巡って(めぐりめぐって)
意味:多くのところを巡っていって。巡り続けて。(出典:デジタル大辞泉)
・恩を売る(おんをうる)
意味:相手からの感謝や見返りなどを期待して恩を施す。(出典:デジタル大辞泉)
・後押しする(あとおしする)
意味:助力すること。後ろだて。(出典:デジタル大辞泉)