無骨
「無骨な精神」などのように使う「無骨」という言葉。
「無骨」は、音読みで「ぶこつ」と読みます。
「無骨」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「無骨」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
無骨の意味
「無骨」には次の二つの意味があります。
1 骨ばってごつごつしていること。また、そのさま。
2 洗練されていないこと。無作法なこと。また、そのさま。(出典:デジタル大辞泉)
それぞれの意味、使い方、類語については下記の通りです。
無骨の意味①「骨ばってごつごつしていること。また、そのさま。」
「無骨」の一つ目の意味は「骨ばってごつごつしていること。また、そのさま。」です。
見るからに硬く、威圧感を与えるような形状のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・子供の肩にまわした手の指の無骨な感じから、男ではないかと推測された。
(出典:打海文三『時には懺悔を』)
・仕事着の男は、無骨な顔に頑固な表情をうかべて、あとからついて来た。
(出典:クイーン/石川年訳『エジプト十字架事件』)
・無骨な男が、無骨な手を合せているのを、るいと東吾は傍で待っていた。
(出典:平岩弓枝『御宿かわせみ 08 白萩屋敷の月』)
・無骨な大男が何十人も列をなしているのを見た我は、命がないものと覚悟をした。
(出典:桜庭一樹『GOSICK 第4巻』)
類語
・屈強(くっきょう)
意味:きわめて力が強く頑丈なさま。(出典:デジタル大辞泉)
・厳つい(いかつい)
意味:ごつごつして、やわらかみがない。(出典:デジタル大辞泉)
・強面(こわもて)
意味:こわい顔つきで他人をおびやかすこと。(出典:デジタル大辞泉)
・ごつい
意味:角張って堅くごつごつしている。荒けずりでいかつい。(出典:精選版 日本国語大辞典)
無骨の意味②「洗練されていないこと。無作法なこと。また、そのさま。」
「無骨」の二つ目の意味は「洗練されていないこと。無作法なこと。また、そのさま。」です。
相手の気持ちやその場の空気に鈍感で、不器用な態度のことです。
具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・熊五郎は少しも相手の言葉に関心を示さず、無骨に無愛想にそう言った。
(出典:北杜夫『楡家の人びと (下)』)
・公爵の無骨な言葉を聞くと、彼女は立上つて、アンヌの方に歩いて行つた。
(出典:堀辰雄『「オルジェル伯爵の舞踏会」』)
・無骨な老人は、この刑事と話しているうちにだんだん愛想がよくなっていた。
(出典:フィルポッツ/赤冬子訳『赤毛のレッドメーン家』)
・あの愚鈍の無骨者たちにあの筆跡がまねられたとでも思っているのか。
(出典:ラヴクラフト全集3『06 「戸口にあらわれたもの」』)
類語
・失礼(しつれい)
意味:他人に接する際の心得をわきまえていないこと。礼儀に欠けること。(出典:デジタル大辞泉)
・田吾作(たごさく)
意味:農夫、いなか者を軽蔑していう語。(出典:デジタル大辞泉)
・粗野(そや)
意味:言動が下品であらあらしくて、洗練されていないこと。(出典:デジタル大辞泉)
・がさつ
意味:言葉や動作が下品で荒っぽいこと。また、そのさま。(出典:精選版 日本国語大辞典)