にべもない
「にべもない返事」などのように使う「にべもない」という言葉。
「にべもない」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「にべもない」の意味や使い方や類語について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
にべもないの意味
「にべもない」には次の意味があります。
・おせじがない。あいきょうがない。思いやりがない。にべもしゃしゃりもない。にべもない。(出典:精選版 日本国語大辞典)
「にべ」とは「ニベ科の魚」のことで、その浮き袋は粘り気が強かったため接着剤の材料として使われていました。
転じて、「にべ」は「人との親密な関係」をさす言葉となり、逆に愛想がない態度をとることを「にべもない」と表現するようになりました。
小説などでの具体的な使い方・例文や類語は下記の通り。
使い方・例文
・ひと息に言って、返事を待つまでもなく、にべもない答えが返ってきた。
(出典:宮部みゆき『クロスファイア上巻』)
・にべもないひさぎの対応にも、ジャグルヤが腹を立てた様子はなかった。
(出典:嬉野秋彦『メフィストの魔弾』)
・ 私のにべもない返事に、女は自分が慰めてほしいという表情になった。
(出典:山田正紀『氷河民族(流氷民族)』)
・ 駒井は仲好く一緒にやっていこうと提案するが、にべもなく拒否される。
(出典:今村仁司『「大菩薩峠」を読む ―峠の旅人』)
・「自分で行きたいのよ」 「それはできん」かれはにべもなく言った。
(出典:エディングス『ベルガリアード物語2 蛇神の女王』)
類語
・素っ気ない(そっけない)
意味:他人に対する思いやりや温かさが感じられない。すげない。(出典:デジタル大辞泉)
・すげない
意味:愛想がない。思いやりがない。そっけない。(出典:デジタル大辞泉)
・けんもほろろ
意味:人の頼み事や相談事などを無愛想に拒絶するさま。取りつくしまもないさま。(出典:デジタル大辞泉)
・取り付く島がない(とりつくしまがない)
意味:相手がつっけんどんで話を 進めるきっかけがみつからない。(出典:大辞林 第三版 )
・歯牙にもかけない(しがにもかけない)
意味:問題にしない。無視して相手にしない。(出典:デジタル大辞泉)