卯月
「卯月の夜」などのように使う「卯月」という言葉。
「卯月」は、「うづき」と読みます。
「卯月」とは、どのような意味の言葉でしょうか?
この記事では「卯月」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介して、わかりやすく解説していきます。
卯月の意味
「卯月」には次の意味があります。
・陰暦4月の異称。(出典:日本語大百科全書)
分かりやすくいうと、4月の事です。
小説などでの具体的な使い方・例文は下記の通り。
使い方・例文
・其も此も、卯月の紅葉を見て思ひあたり、同時にさらりと愉快に解決した。
(出典:折口信夫『街衢の戦死者』)
・五郎左は、前を駈ける信長の卯月をめがけて、遮しゃ二無二、迫せまって行った。
(出典:吉川英治『新書太閤記』)
・暦はもう卯月に入って、昼間から雨気を含んだ暗い宵であった。
(出典:岡本綺堂『玉藻の前』)
・此為、卯月と言ふのだとするのが、私の仮説である。
(出典:折口信夫『花の話』)
・卯月を意識してのことではないが、心の隅の御先祖や父母への思慕の情が働いてフラリと入ったのだ。
(出典:金子信雄『金子信雄の楽しい夕食 (v0.9)』)
・時鳥の鳴く卯月が来て、衣更えの肌は軽くなったが、お菊の心は少しも軽くならなかった。
(出典:岡本綺堂『番町皿屋敷』)
・後白河法皇の大原御幸は卯月二十日余りのことで春も開け山にはつつじ藤の咲出づる頃である。
(出典:平野万里『晶子鑑賞』)
・以前、女たちは卯月初めごろ、いっせいにアユ釣りをしたが男の釣りは禁じられていた。
(出典:三遊亭金馬『江戸前の釣り』)