噛みしめる
「意味を噛みしめる」などのように使う「噛みしめる」という言葉。
「噛みしめる」は、訓読みで「かみしめる」と読みます。
「噛みしめる」とは、どのような意味の言葉でしょうか？
この記事では「噛みしめる」の意味や使い方について、小説などの用例を紹介しながら、わかりやすく解説していきます。
噛みしめるの意味
「噛みしめる」には次の三つの意味があります。
1力を入れてかむ。
2よくかんで味わう。
3物事の味わい、深い意味などを十分に感じ取る。（出典：デジタル大辞泉）
それぞれの意味や使い方については下記の通りです。
噛みしめるの意味①「力を入れてかむ。」
「噛みしめる」の一つ目の意味は「力を入れてかむ。」です。
奥歯にしっかりと力がかかっているように噛むことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・ローラはまたしてもニヤリと笑いそうになり、あわてて唇を噛みしめた。
（出典：ロバート・アスプリン,P・J・ヘック『銀河おさわがせアンドロイド』）
・唇を噛みしめていた、わたしの口の中に、鉄のような血の味が広がった。
（出典：出典：貴志祐介『新世界より』）
・それは、口のなかで噛みしめていると、何か、非常に力になる気がした。
（出典：出典：吉川英治『牢獄の花嫁』）
噛みしめるの意味②「よくかんで味わう。」
「噛みしめる」の二つ目の意味は「よくかんで味わう。」です。
何度も噛むことで、食べ物を口に長くとどめて食べ物の味を楽しむことです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・普段はおかずの量が多いため、純粋の米の味を噛みしめることがないのだ。
（横尾忠則『わが坐禅修行記』）
・乾燥食糧を噛みしめながら、こいつは運がよすぎるな、とセラは思った。
（アン・マキャフリイ『パーンの竜騎士シリーズ(全16巻) 12 竜の反逆者』）
・彼はポリポリ音をたて、舌に残る甘みを味わうようにゆっくり噛みしめる。
（出典：上西晴治『十勝平野(上)』）
噛みしめるの意味③「物事の味わい、深い意味などを十分に感じ取る。」
「噛みしめる」の三つ目の意味は「物事の味わい、深い意味などを十分に感じ取る。」です。
②の意味を発展させて、物事や出来事のありようを時間をかけて深く考えることです。
小説などでの具体的な使い方は下記の通り。
使い方・例文
・結局、本人が一人で、胸の奥底で噛みしめていくのほかはないのである。
（出典：源氏鶏太『停年退職』）
・そんな思いを噛みしめながら、一歩一歩、帰りの道を踏みしめていった。
（出典：森絵都『DIVE!! 下』）
・しかし、なんといっても、この喜びを一番深く噛みしめていたのは千枝だったに違いない。
（出典：平岩弓枝『旅路(下)』）
